規則に従って行動する仕事はAIに取って代わる仕事なんだろうな。


デンマーク留学中の長男からLINEが入った。

どうやら財布を落としたらしい。

デビットカードと、すべての有り金を財布に入れておいたらしい。

彼は今、海外で無一文になりました。

1年間の海外留学の最初の1ヶ月が終わる前に、無一文になるという興味深い展開に。

 

なぜ全財産持ち歩いているのか。

危機管理意識が低いわけで。

こうやって人間は学ぶのです。

とりあえず、カードを止めて再発行申請。

カードは郵便局から送れるらしい。

 

まー、しばらくは生き抜きなさい。

無一文だけど、学校に行くことはできるし、お昼ご飯を水だけで過ごせば良いらしい。

面白いので、とりあえず放置しておく。

 

 

そんな海外で無一文になった長男から1週間後、ついに泣きが入った。

ホストファミリーの口座に生活費を送金してほしい、とのこと。

 

で、朝から事件だよ。

某銀行にて海外送金したい旨を伝えた。

 

送金理由を尋ねられたので

「17歳の息子が財布を落とし一文なしになっている」

とそのまま伝えた。

 

その後、免許証の確認とか生年月日だとか住所とか何度も確認された。

で、口座を見せて、ここに振り込みたいです、と伝えたわけ。

そしたら、だよ。

「送金できません」

「なんで?」

「相手の免許証をパスポートが必要です」

「いや、留学して半月で気心知れてないのに、免許証写メ撮らせろとか厳しくない?」

「いや、規則なんで。あと、この口座も名義がハッキリしないんで」

「もしかして、詐欺とか疑ってんの?」

「いえ、そういうわけでは」

「じゃあ、少額でいいから送ってよ」

「額は関係ありません」 

「いや、これ、俺の金だから。万が一詐欺で無くなってもいいから送金してよ」

「規則なんでできません」

「17歳の子が、同じ日本人が、海外で所持金ゼロなのよ、わかります?」

「はい」

「5000円でいいのよ、5000円マネーロンダリングするやつ、いなくない?」

「規則なんで」

「規則なんで」

「規則なんで」

「規則なんで」

「規則なんで」

「規則なんで」

 

 

ふと思った。

規則によって動く人間って、未来にはAIに代替え可能なんだよね。

ルールに従って話すなら最近はチャットするbotとかあるしね。

 

こう決められているから、こう返答する。

ただそれだけのロボットみたいな感じだった。

人間らしい仕事って、血の通った仕事ができるかどうかなんだな、と思った。

 

ちなみに、海外にはいろんなサービスがあって、お世話になっている人に紹介していただいて、チョチョッとやったら海外送金できるようになった。

なんだったんだ、銀行のチェックは。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。