なぜ互いの「違い」を可視化することが人間関係を楽にするのか


人間関係というのは難しい。

昨日も今日も、そして明日も、きっとどこかで「すれ違い」が起こっている。

 

 

そんなとき僕らは、相手を責める「他責型」の反応を示すか、自分を責める「自責型」の反応を示すことが多い。

「こうなったのはあの人が悪い!」と誰かのせいにする他責型の人は、周りから人が離れていくタイプである。

「どうせ私が悪いのよ」と自分のせいにする自責型の人は、次第に積極性を失っていくタイプである。

 

 

ところが、自責型のように一見自分を責めていても、(あー、また、この人、こんなこと言ってるけど…)と言って周囲の人が離れていくパターンもあって。

そんな人は「自責型」のフリをした「他責型」の人間だったりする。

 

 

と、まあ、人間というのは「すれ違い」が起こるたび、自分のせいにするか、他人のせいにするか、をするのである。

 

 

高知での研修を終え、空港へ向かう車内で、友人である園長先生が話をしてくれたことが、気づきにあふれていたのでシェアしたい。

彼女は僕が教えているDOC理論の効果効能を言語してくれた。

 

 

人間関係ですれ違いが起きると、僕らは自分を責めるか、他人を責めるかするわけだけど、それはいずれにせよ「苦しいこと」である。

どちらを選んでも、結局は痛みを伴う。

 

 

僕はいつも「違い」にフォーカスをする。

「あなたとこの人は、こんな違いがあるんだよ」ということを言語化する。

すると、みんなは「あー、だから、すれ違いが起こったんだ」と腹落ちする。

 

 

実は「すれ違い」は、自分が悪いから起こるわけでも、相手が悪いから起こるわけでもない。

二人が違う人間だから起こるのである。

 

 

この人と私は、こんなところが違うんだな。

それがわかると、「すれ違い」が起きた原因が理解できる。

自分を責めることなく、相手を責めることなく、「では、どう折り合いをつけたらいいだろう?」という第3の道が拓けてくるのである。

 

 

道がない、すなわち光が見えないと、僕らは絶望の淵に立たされる。

でも、そこに一筋でも光が見えるなら、僕らはあきらめないで「人間関係の構築」にエネルギーを注げるわけだ。

 

 

そんな話を車内でしながら、空港までの道のりを走らせた。

僕もまたこうして人との対話の中で自問自答して、自分なりの答えを見つけ出していく。

それをこうやってブログ記事にまとめている。

 

 

互いが違うからこそ、気づきをもらうことができる。

人間関係は難しくて面白いのである。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。