子どもが「学校に行きたくない」と言ったら


ぼんやりSNSを眺めていたら「子どもが学校に行きたくない」と言ったら「休ませてあげて」的なメッセージをいっぱい見かけた。

 

 

んで、そういうのを見ると、僕の中のアマノジャクが「へい!へい!本当にそれで良いのかい?」と一言、物申したくなった。

 

 

そういう我が家の子どもたちは「学校を休みたい」とは言わない。

皆勤賞だからではないぞ。

気軽によく休む。

 

 

休む際は「今日、休む」と言う。

自分で決定する。

 

 

学校には、「体調不良で休みます」と電話する。

時折、「どんな具合ですか?」と質問をしてくる先生もいる。

「まー、心配する必要のないレベルの体調不良ですね」と答える。

 

「明日は来れそうですか?」と尋ねられるので、「それは明日にならないとわからないです」と答える。

なんか面倒臭い。

 

「体調不良です」

「お大事にしてください」

 

こういうサクサクって終わると、ありがたい。

まー、そんなことはどうでも良い。

 

 

とりあえず、我が家は気軽に休むので、「子どもが学校に行きたくない」と言ったら「休ませてあげて」的なメッセージは、「うんこしたらお尻拭いて」みたいな、何を当たり前のことを、と思ってしまう。

 

「学校、行きたくない」

「なんで行きたくないの?」

みたいなやりとり、マジでいらねーと思っていて。

 

 

女性の「私っていくつに見える?」ぐらいいらねーと思っている。

 

 

さてさて。

この「学校に行きたくない」だって、いろんなレベルの「学校に行きたくない」があると思うんだ。

「休ませる」ってのはむちゃくちゃわかりやすい対処方法なんだけど、そういうことを発信している人たちの論調って、「休ませたあと、どうすんの?」という部分が欠けていると思うのだ。

 

 

あー、そうそう。

俺のモヤっとポイントはいつもそこだ。

 

「命は大切だ!」と訴えるのはごもっともで正しい。

だが、それで「死にたい」って思ってるヤツに、この現実をどう生き延びたら良いのか、語るべきじゃないか、と。

 

 

「学校に行きたくない」と言ったら「休ませたらいい」だけじゃ、俺は無責任だと思うんだよ。

そのあと、どうすんだ?ってところまで、君の言葉で語る必要があるんじゃないの?と思ってしまうんだな。

 

 

僕の場合、子どもと遊びに出掛けてしまう。

でも、それは僕がこういう働き方だからできるのであって、両親ともに仕事をしている家庭だと不安で仕事が手につかないかもしれない。

 

 

だから、安易に「休んでいいよ」って言いにくい家庭もいっぱいあると思うんだよね。

 

 

これ、書いてて思い出したけど、こんなこともあったわ。

 

 

「子どもが不登校で家庭がむちゃくちゃです」みたいな母ちゃんがいてさ、子どもが家にいるだけだから、家庭がむちゃくちゃになる理由がさっぱりわからんわけですよ。

 

そしたらさ、毎朝子どもの布団をひっくり返して、子どもを引きずり下ろして、「学校に行け」「うるせえ、クソババア」ってなって一通り暴れて、みたいなさ。

 

 

親が「学校に行かせないとダメ」みたいに盲信しちゃってると、子どもを追い込む。

 

 

「休みたい」って言えるヤツは優秀だよ。

自分の気持ちが言えるんだから。

 

 

「お昼、一人で準備できるか?」って尋ねて、お昼に一発電話して、「飯食ったか?」って尋ねるぐらいかな。

学校の話なんかしなくたっていいし、「明日は行けそうか?」なんてつまらないことは聞かなくたっていい。

 

 

聞こうが聞くまいが、そんなの明日にならなきゃわからないし、明日になった気が変わるかもしれない。

 

 

「学校に行きたくない」ってのは、ある日突然やってきて、ある日突然終わる。

良い方向に進むのは(この場合の「良い方向」は必ずしも「学校に行く」ではないぞ)、親が「学校に行かせよう」と思わなくなったときだったりする。

 

 

だから、本当に大事なのは、「学校に行きたくない」と親にお伺いを立てる関係性ではなく、「今日はお休みします」と自分の意思決定を伝えられる親子関係だと思うのだな。

 

 

ウチは昔から、行きたければ行けばいいし、行きたくなければ行かなくて良いと言っている。

一貫してそのスタイルを貫いている。

 

 

小学校低学年のときは立派な不登校傾向の児童だった。

その学校の生徒指導部長は僕だったww(日本人学校時代)

 

 

「行きたければ行けばいいし、行きたくなければ行かなくていい」と言っている僕なので、自分の生徒に不登校の生徒がいても、「ま、来たくなったら来たらええやん?」な指導をしていた。

 

「引きずってでも連れて行ってください」という保護者からは、「あの先生はやる気がない」と言われたりもした。

 

いろんな人から「あーだ、こーだ」言われたけど、俺がやり方を曲げるわけがない。

なんで、そんなにみんな、学校に行かせたいのだろう。

 

 

別に「学校なんて意味がない」と言ってるわけじゃない。

学校に行く意味、意義はいっぱいある。

でも、行きたくないのに行かせるほどの意味があるかと言うと、僕は疑問なわけです。

 

 

で、じゃあ、この記事で僕が何を言いたいかというとですね。

「学校に行きたくない」と言ったら「休ませましょう」という話ではなく。

 

いいです?

 

 

親のスタンスとして、「行きたければ行けばいいし、行きたくなければ行かなくていい」であり、「どういう選択をして、アタシャ、あんたの味方だよ」ってことがちゃんと伝わってれば良いんじゃねーか?ってことなのですよ。

 

 

「学校に行かせてない親はダメ」みたいな変な勘違いをすんなよ、って話な。

我が子の気持ちに心を配れない方がダメだと思うわけよ。

 

 

日々、そういう親子の関わりをしてることが重要よ。

最悪なのは「学校休みたい」って言えないことだからね。

そこんとこ、よろしく。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。