情報を鵜呑みにせず、吟味して自分の頭で考えて行動する。

積み上げ型の人

どんな子どもを育てたいか、という話をしたい。

 

世の中には情報を鵜呑みにする人が多い。

 

 

例えば、コロナのワクチンの話なんかがその典型だ。

政府がワクチンを打った方が良いと言った。

その結果、ワクチンを打った。

 

 

一方で、「ワクチンなんて反対だ!」という人たちもいた。

そういう声を信じて、ワクチンを打たなかった人もいた。

 

 

ワクチンを打った人は、打たなかった人を見て批判したし、打たなかった人は打った人を見て批判したりもした。

 

 

どちらが偉いとか、どちらが正しいとか、そういうことはない。

自分と異なる行動を選んだ人を批判なんてしなくていいのにな、と思う。

どちらも、自分が得た情報を信じて行動を選んだだけだ。

 

 

 

ここで大切にしたいのは、情報を鵜呑みにして行動してはいけないということ。

一方の情報だけを信じて行動したならば、それって結局どちらも「情報を鵜呑みにした人」だと思っている。

 

 

 

以前、息子が体調を崩したとき、薬膳や漢方が好きな妻が漢方の専門家に聞いて「午黄」という漢方薬を見つけてきた。

これが滋養強壮に効くらしい。

 

 

それで、「午黄」とは何か。

なんと牛の胆石らしい。

胆石というのは胆嚢や胆管にできる結石であり、立派な病気である。

そんなもの食べていいのかと驚いてしまった。

 

 

それなら人間の胆石でもいいじゃないか、と思って調べて見ると、どうやら人間の胆石とは成分が異なるらしい。

で、この午黄は、あの有名な宇津救命丸(うづきゅうめいがん)や樋屋奇應丸(ひやきおうがん)にも入っている。

 

 

おお、なんだか良さそうじゃないか、と思えてきた。

ちなみに主成分は、胆汁酸(コール酸)とビリルビンである。

じゃあ、というので今度は胆汁酸(コール酸)とビリルビンについて調べてみる。

 

 

コール酸は消化を助ける効果があるらしいが、ビリルビンについてはこの数値が高いと健康診断で要注意!みたいな記事が出てくる。

こうやって読み解いていくと、「これ、意味あるんか?」と思えてくる。

 

 

もっと詳しいことはその道の専門家に尋ねる必要があるだろう。

まー、そこまでの興味はないんだけど。

 

 

さて、それらの情報をもとに、自分が飲むか飲まないかは決めればいい。

飲み薬なら、お尻から出て終わりだし、悪いことはなさそうだし、効果はなくてもまあいいか、と思って飲める。

と思って調べたら、存外高額でそっと楽天のサイトを閉じた次第だ。

 

 

調べて納得した上で、自分がどうするかを決める。

このプロセスを踏むと、他者を批判することはなくなる。

 

 

僕が理解できないのは、ワクチンを打った人が打たなかった人を批判したり蔑んだり、ワクチンを打たなかった人が打った人を批判したり蔑んだり、という行動だ。

 

 

いや、いいじゃないの。

その人がそうしたいなら、それでよくないですか?と思ってしまう。

 

 

自分で調べ、自分で納得した上で行動した人ならば、別の選択肢を選んだ人を批判したり蔑んだりはしないだろう。

 

 

午黄を飲んでいる人を見ても、「お金あるんだなー」「本当に効くのかなー?」とは思うけれど、その人を批判したり蔑んだりはしない。

 

 

自分の頭で考え、自分で行動を選択できる人は、何か一つの結果に出会ったとき、それを誰のせいにもしない。

また、相手の行動を尊重することもできる。

これ、社会の一員としてむちゃくちゃ重要だと思うのだよ。

 

 

僕は親ガチャとか毒親みたいな話が嫌いだ。

あ、これは事実ではなく意見である。

だから、僕が言っていることが正しいとは思わないでほしい。

 

 

なぜ嫌いかというと、人生は結局自分自身で作り出すもので、どれだけ生い立ちが不幸で、不遇な子ども時代を過ごした方でも、今は立派に生きている大人がいるわけです。

 

 

家庭環境に恵まれなかった人が100%、不幸な人生を生きているわけではなく、あ、もちろん家庭環境に恵まれた人の方が幸せな人生を送る確率が高いことは肌感覚でわかります。

あ、ちなみに、これも意見です。

肌感覚なので事実ではなく、何のエビデンス(根拠)もありません。

 

 

ただ、家庭環境が影響を与えるのは事実だけど、そのあとの人生は自分自身の選択で変わります。

事実、そういう人はいます。(これは事実です)

 

 

というわけで、話を戻すと、自分の頭で考えて自分で行動できる人は、「今の自分」について誰のせいにもしません。

 

 

親が悪い、国家が悪い、先生が悪い、上司が悪い、と誰かのせいにはしません。

すべて、自分の頭で考え、自分で選んだ行動の結果だと考えます。

だから、さらに考えます。

行動を選ぶ精度が上がります。

 

 

情報を鵜呑みにすると、情報に振り回されますなぁ。

それらをもとに、自分の行動は自分で決めるんです。

行動の責任はすべて自分にあるんです。

 

 

 

情報を鵜呑みにする人たちは、うまくいかない人生を誰かのせいにします。

親が悪いからこうなった。

国家が悪いからこうなった。

先生が悪いからこうなった。

上司が悪いからこうなった。

 

 

誰かのせいにするのはね、自分の責任を回避したいからです。

「◯◯のせいで」思考の方、自分の人生を生きた方が良いです、ほんと。

 

 

ここで大切な問いは「それでどうするの?」です。

「◯◯のせいで」思考の方には、その問いに対する答えがありません。

だから、人生は好転して行きません。

 

 

うまくいかない現実に出会ったとき、「では、どうしたらいいか?」を考えられる子どもを育てたいと思います。

 

 

人生なんて、むしろうまくいかない現実だらけです。

壁は無数に存在します。

そういうものに打ちひしがれることが山ほどあります。

 

 

そんなとき、誰かのせいにする癖がついていると、悲観的になりやすく、したがって心折れやすくなります。

そこで、「では、どうしたらいいか?」を考える癖をつけたいのです。

 

 

情報を集めて吟味し、その頭で考え、行動する。

壁にぶつかったら、「では、どうする?」とまたその頭で考える。

 

 

そうやって不確実な現代社会を生き抜ける人を育てる学校を作りたいと思っています。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。