服装を直しても、心は整わないよ
服装の乱れは心の乱れ
「服装の乱れは心の乱れ」という言葉を耳にしたことがありますか?
たしかに、服装にその子の気持ちが表れるということは、あるかもしれません。
夏休み明け、突然おとなしく真面目だった子が茶髪に染めてきた。
ビックリしたことがありました。
たしかに、なんらかの心の変化として、身だしなみや服装に表れるということはあるでしょう。
ですが、間違えてはいけないことがあります。
服装の乱れは心の乱れかもしれませんが、服装の乱れを直しても、心の乱れは治りません。
そんなの当たり前でしょ?
それなのに、必死になって服装を直させようとする。
家に帰して、やり直していらっしゃいと言う。
そこだけ直しても、何も変わらないんです。
僕は、この指導が本当に嫌で嫌で仕方がありませんでした。
外見を整えたら、うまくいくのか?
「服装が乱れてくると、学校が荒れるから」
そう言われたことがあります。
「だから、細かいところまで指導しなくてはダメよ」
僕は、それは嘘だと思っています。
これまで、金髪に茶髪に赤髪の子どもたちとも接してきました。
耳だけでなく、鼻に舌にへそに、ピアスを開けた子とも接してきました。
だから、心が乱れているのか、と言えば、そういうものではありませんでした。
むしろ、よい人間関係を育んでいれば、話ができます。
子どもたちの話に耳を傾ければ、ちゃんと子どもたちもこちらの話に耳を傾けてくれます。
どんな髪型をしていようが、どこに穴が開いていようが、等しく子どもです。
僕はそう思って、同じように接してきました。
ところが、「家に帰れ!」とやっていたころは、最悪でした。
人間関係なんてありません。
当然、子どもたちの言葉を聞かないわけですから、こちらの言葉に耳を傾けてもらえるはずはありません。
日に日に関係は悪化していきました。
学校が荒れていくとき
学校が荒れていく瞬間というのには特徴があります。
服装が乱れたり、校内の雰囲気がだんだん悪くなってきたりします。
すると、先生が躍起になって戦い始めるんです。
力づくの指導が始まります。
どんどん子どもの心が離れていく。
それでも、指導力のあるカリスマ先生がいる間はなんとかなるんです。
ところが、その先生がいなくなった途端、崩壊していく。
荒れた学校に行って最初に感じるのは、子どもと先生の距離がすご〜く遠いことです。
だから、立て直しの時期に赴任すると、最初にやることは「信頼の回復」です。
人間関係づくりです。
つまり、強烈な指導力ではなく、「なかよくなる」というなんともシンプルなことなんです。
だからね、
本当に大切なことは、服装の乱れを感じたら、子どもの心に寄り添ってあげることなんです。
子どもの言葉に耳を傾けてあげることなんです。
服装直しても、心が整うはずないでしょ?
ハッピーな先生になるためのしつもん
子どもの服装から、どんな気持ちを読み取りますか?