受け止める聴き方が言葉を引き出す

傾聴 聴き方

ただ「聴くこと」って難しい

子どもたちとの会話。

保護者との会話。

同僚との会話。

 

「傾聴が大事だって研修でやったな〜。よ〜く聴かなきゃな」

そう思っても、ついつい意見がしたくなる。

ついついアドバイスをしたくなる。

そんなことってないですか?

 

「ただ聴く」って、実はとっても難しいの。

相手の考えは受け止めるのがいいんです。

受け入れる苦しくなるんです。

 

自分と異なる点にフォーカスしてしまう…

まったく同じ価値観の人っていないんです。

これまであなたが成長する過程で出会ったすべての物事が、あなたの価値観をつくっています。

あなたとまったく同じ人生を歩んできた人などいませんから、まったく同じ価値観の人などいるわけがありません。

 

人の思考は、そんな価値観でつくられています。

だから、受け入れようとすると、「そんなのおかしくない?」って思いが、どこかに生まれるものです。

話している内容(コンテンツ)に耳を傾ければ傾けるほど、自分と異なる点にフォーカスしてしまいます。

 

「それはこうじゃないの?」

「もっとこうしたらいいんじゃないの?」

 

ついついアドバイスしてしまいます。

でもね、想像してみてください。

あなたが恋人や家族にお弁当を作ったとします。

すると、みんながもっとおいしくなるためにたくさんのアドバイスをくれるんです。

 

「もっと盛り付けはこうするといいよ」

「これは、塩が足りないね」

「色が暗いから工夫しよう」

「クックパッドのレシピを参考にしたら、もっとおいしいのに」

 

ありがた〜いアドバイスの数々。

いかがですか?

2度と弁当なんてつくってやるか!って思いましたよね。

 

だけど、受け入れようとすればするほど、ついつい教えたがりが顔を出すんです。

 

受け止めるだけでいいんだよ

だからね、受け入れようとすると苦しくなるんです。

相手の気持ちをは受け止めるだけでいい。

 

今、相手は何を感じているだろう?

感情をそっと受け止めてあげる。

それだけでいいんです。

 

アドバイスをしよう!

そんなことをついつい考えてしまいます。

でもそれは、相手を変えようとする行為なの。

変えられるのは自分だけだから。

自分で気づいて自分で変わる、そういうことでしか人は変われないから。

 

相手が変わるお手伝いをしてあげればいい。

気持ちを受け止めてくれた、それが大事なの。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 傾聴はね、受け入れないで、受け止めるの。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。