なんのために学ぶのか、迷ったときのステップ

学習指導

路上に咲く草花で人生は豊かになる。

それはまだ我が子が幼稚園に通っていたころのこと。

自転車に息子を乗せて、幼稚園まで向かいました。

交差点の赤信号に自転車を止めたました。

 

「お父さん、あの花の名前知ってる?」

 

彼が指差したのは、駐車場のフェンスに絡まった蔦に咲く小さな花でした。

「う〜ん、わからないなぁ」

「あれはね、◯◯草って言うんだよ」

「ふ〜ん」

 

それから、彼は走りながら、あの木は◯◯、あの花は◯◯と名前を教えてくれます。

「どうして、そんなにいろんな名前を知ってるの?」

と尋ねる僕に、彼は

「だって、毎朝お母さんが教えてくれるんだもん」

と答えました。

 

沖縄の海から眺めた星も豊かになる。

家族で沖縄に行ったときのことです。

夜、満点の星空に目を奪われました。

 

砂浜に腰を落とし、空を眺めます。

手にはオリオンビール。

散々泡盛に酔っていた僕は、ぼんやり「きれいだなぁ〜」と星空の美しさにも酔っていました。

 

すると、子どもたちと妻は楽しそうにしています。

「あれが◯◯座だね」

「こっちは◯◯座」

「あっ!あれって◯◯星?」

なんて会話が繰り広げられています。

 

残念ながら、僕には「きれいな星」にしか見えません。

 

そう!

知識があると、見える世界が変わるのです。

 

人生に彩りを加えるのは知識なのだ

中央フリーウエイ♪

右に見える競馬場♪

左に見えるビール工場♪

ユーミンの『中央フリーウエイ』を知っているか知らないかでは、中央自動車道を走ったときの感動は違います。

 

ある大学の先生が言っていました。

世界遺産の『平泉』

国語の時間に『おくのほそ道』を勉強している子としていない子では、全然反応が違うそうなのです。

 

僕の友人に100名城を巡るのが趣味の友人がいます。

いろいろお城の話をしてくれるのですが、正直サッパリわかりません。

彼にとっての『お城』と知識ゼロの僕では、同じ城を見ても「見え方」は違うわけです。

 

知識は人生を豊かにするんですね。

 

中国の『赤壁』に行ったときのこと。

映画『レッドクリフ』を観て、横山光輝の『三国志』を全巻読破した僕だけが感動し、家族一同「ここなに?」状態でした。

 

「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」という漢詩があります。

国語の教科書に載っている漢詩です。

えっ⁉︎知らない?

そう、国語の先生じゃなきゃだれも知らないような場所かもしれません。

 

でもね、どうしても黄鶴楼に行きたくて、わざわざ武漢まで行ったんです。

家族にとって、そこは電飾だらけの高い塔です。

ただの観光地です。

 

でも、僕には違います!

ここがあの黄鶴楼かぁぁぁぁっ!!!!

 

知識があるのとないのとでは、人生の豊かさは違うのです。

学校の存在価値は、子どもたちの人生をハッピーにすること。

そういう視点で考えれば、学習指導も変わります。

 

受験のために勉強をしているわけじゃないの。

人生を豊かにするために勉強しているの。

そこが大事なところなの。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

「この知識は子どもたちをハッピーにするか」を、常に頭の片隅に置いておく。

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。