子どもの課題に本気で向き合うと見えるものが変わります

子どもたちの課題を話し合える職員室づくり

 問題の本質を見失うと効果は出ない

 
 家庭学習の習慣がない子どもたちのために、
ノートを一冊ずつ配布して、
勉強させようという取り組みが行われました。
 
よく見かける方法です。
ところが、この方法はなかなか効果を発揮しません。
 
もちろん、丁寧にノートにまとめてくる子どももいます。
ですが、大きな字でテキトーな子もいます。
 そのうち、提出しない子も出てくる。
 
そして、叱る
 生徒も先生も苦痛になる。
 「なんでこんなこと始めたの?」
 職員室もギクシャク。
 
よく耳にするお話です。
 

なぜ、この方法がうまくいかないのか。

 
そもそも、家庭学習をしない子にノートを配るという方法を用いる理由は何でしょうか。
 
「ウチの学校の子どもたちは、
 ノートを買うお金もないご家庭の子どもばかりなのだ」
というならわかります。
 
ノートを買えない子どもたちにノートを買い与える。
それは、原因の解決につながります。
 
ところがそうではありませんよね。
ノートを買えない子どもたちはほとんどおりません。
 
前述の、「丁寧にノートにまとめてくる子ども」は、
おそらくノートなんて配らなくても勉強する子です。
 
本当に家庭学習をさせたい子ほど、
テキトーにやってくるし、
提出しなくなる。
 
そんなことは、わかっていたはずなのに、
ノートを配ってしまう。
 
やってこないから、叱る
ノートを見る時間もないから、ハンコ押して終わり。
子どももやりがいを感じない。
それは、教師と生徒の関係を悪化させる負のスパイラルを生み出します。
 

「家庭学習」の仕組みをつくる

 
家庭学習は文字通り、家庭で取り組むものです。
本来、宿題すら必要ないと考えています。
しかし、実情をいえば、学校で家庭学習の面倒も見る必要があるでしょう。
 
ハッピーを創造するクリエイターである「ハッピーな先生」は、
「どうしたら、この子をハッピーにできるだろうか」
 
発想のスタートはいつもここからです。
 
たとえば、
ノートではなくA4用紙を1枚配り、
昨日勉強したことと勉強時間を書く、
なんていうのはいかがでしょうか。
それを毎朝掲示する。
 
勉強の中身に手を入れる時間はなくても、
やったかどうかの確認だけならできます。
ノートを提出させるよりも手間もかかりません。
 
他にもやり方はいくらでもあるはずです。
安易な方法に逃げることなく、
子どもたちの課題に正面から真っ向勝負を挑む。
 
そういうことをブレインストーミングできる学校ならば、
きっと目の前の子どもたちに合ったやり方が見つかるはずです。
 

ハッピーな先生になるためのステップ

 
 本当の課題は何か、しっかり話し合える職員室にする
 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。