感じている痛みを味わい尽くす
いただいたご感想を紹介します。
いつも楽しく拝読させていただいています。
長年臨時講師をしていて、今年度新採用になりました。今年は今までの経験が全く生かせず、学級経営、保護者との関係も全然ダメで凹んでいました。
そんな時に、ハッピー先生を読み、初心を思い出しました。
今日の記事で、「表現技法が違うだけ」というのを読んで、自分はまだまだ人間理解ができてないなぁ、と思いました。
表現されたものは、目に見えているもの。
相手の気持ちは目に見えていない。
見えない所まで考えてなかった。
思いやりがなかったなぁ。
子どもに対しても、どんな気持ちでやったのか、というところまで考えてなかったなぁ。
これからは、今日のこの気持ちを忘れずに、頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました。
自分のフィルターを通して認識している。
同じ話を聞いていても、心に響くポイントは違います。
同じ映画を見ていても、感じ方は人それぞれです。
同じ物事でも、認識の仕方は人それぞれです。
それは、僕らが自分のフィルターを通して認識しているからです。
見たいように見ている。
聞きたいように聞いている。
そういうことはないでしょうか?
先日、校内研修を行いました。
「保護者に応援されるためにできることは何ですか?」
そう問いかけました。
ある先生が、こんなお話をしてくださいました。
「僕は、自分の生い立ち、これまでの職業経験、考え方などを全部説明し、自分のことをわかってもらえるようにしています」
それで、クラスはどうか。
保護者はどうか。
『ハッピーな先生のハッピーな教室』の読者の方ならば、容易に想像がつくでしょう。
その先生は「自己紹介」の効果を認め、それを全体にシェアしてくださいました。
それが間違っているとは言いません。
きっと、その先生には効果があるように「見えた」し「聞こえた」のでしょう。
僕らは、見たいように見てしまいます。
都合よく物事を考えるようにできています。
しっかり心に留めておきたいと思います。
この子が、この親が抱えている痛みは何だろう?
表現されたもの、目に見えるものですら、僕らは自分のフィルターで都合よく認識してしまうのですから、目に見えない「相手の気持ち」に寄り添おうと思えば、繊細な感性が必要です。
僕らは、自分自身とつながることですら苦労しています。
ありのままの自分。
それを包み込んだ感情。
その外にある「思考」の鎧。
「ありのままの自分」って2層コートでしっかりコーティングされています。
そんな「ありのままの自分」とつながることですら難しいのです。
まして、他人の心とつながることは本当に困難なことなのです。
だから、だれかと本質的につながろうと思ったら、目で見たり耳で聞いたり、というだけでは届きません。
そんなときは、こんな問いと立ててみてください。
「この子の抱えている痛みは何だろう?」
「このお母さんの抱えている痛みは何だろう?」
目で見たり耳で聞いたりするのではなく、同じ痛みを味わってみる。
すると、まったく新しいつながりが生まれます。
ハッピーな先生になるためのステップ
同じ痛みを味わうことで、つながれるものがある。