子どもたちに何を届けますか?

いじめ 指導 質問

いじめについての一つの考え方

まずは、いただいたメッセージから。


 

きっと、すべての教師は、クラス全員の子どもに寄り添おうと思っています。

しかし、子どもたちがいじめをしたり教師への反発をしてくると、どこかその子どもたちへ「距離をおきたいな、関わらないでおこうかな」って思うんじゃないのかなって思います。

少なくても自分はそうです。

じゃあ、担任に反発している子どもは、他の先生に反発しているかというとそうではなく、いじめをしている子どもは人権作文を書くと「本当にその子が書いたの??」って思うものを書いてきます。

自分はそんな経験が他の先生よりも多分何十倍も多かったと思うので、いつも「くやしいな 何でなの」と思っていました。

 

子どもってきっと「やっていいこと、いけないこと」はその年齢なりに分かっていると思います。

その行為に至る背景を分かろうとせず「あーだ、こーだ」と担任が言うので、さらにエスカレートしたり担任への反発もやってくる気がします。

きっと指導している先生が余裕がなくて「いじめ、早く解決しなきゃと1日で何とかしよう」としているからうまく行かないのかもしれません。

 

自分も3年前6年生を担任したときある男の子へのいじめが日に日にエスカレートしていきました。

男女問わずです。

加害者の子どもたちに話をしていた時「先生も、Aにきついやん」といわれました。

その時は「何言ってるんだ。自分がしていることを棚にあげて先生にせいにしやがって」と思いましたが、榑林先生の文章を読んでいると「自分の行いを子どもが真似していたのかな」と今となっては思います。

 

正直、自分もAに対して「何でこんなにしつこく、くどくど聞くのだろう。腹立つなぁ」と思っていました。

そういった類のことが、子どもに見えない形で伝わっていたのかもしれません。

だから、担任がすべての子どもに同じように寄り添っていけば、担任が「見守っているよ」というメッセージを30人なら30人に送り続けていたら、子どもたち一人一人がそして担任も安心できる教室が生まれる気がします。

 

「しつもん」が伝染中…

今、魔法の質問認定マスターとして「しつもん」を学んでいます。

それでね、僕は教室ではほぼ「しつもん」しかしません。

おもしろいもので、子どもたちの「しつもん」に対するレスポンスがだんだん早くなってきているのです。

「しつもん」したら、即答します。

いわゆる「しつもん体質」になりつつあるんです。

 

で、おもしろいのはここからです。

子どもたちが「しつもん体質」になる。

すると、こんなおもしろいことが起こりました。

 

先日、総合的な学習の時間に、「どんな未来が来るだろう?」ということを話し合っていたんですね。

子どもたちのやりとりにハッとしたんです。

 

「これからは機械化が進む中で、もっと人間の良さみたいなのが、大切にされると思うよ」

「う〜ん、人間の良さってなんだと思う?」

「はい、人間の良さとは?」

 

この「◯◯とは?」というしつもん。

僕はお決まりのようによく使うんですね。

で、さっそく「しつもん」を子どもたちが使っているわけです。

なんだか、うれしくなっちゃいました。

 

「勉強とは?」

「豊かさとは?」

「幸せとは?」

「賢さとは?」

なんだかぼんやりした言葉には、すぐにこのしつもんを届けて向き合わせるんですね。

 

結局、変えられるのは「自分」だけ

僕らにね、子どもたちを変える力なんてないんだよ。

だって、変わるのはその子自身だから。

変わるきっかけをつくってあげているに過ぎないの。

 

でね、影響だけはものすごく与えてるの。

ただね、それをどう受け止めるかは、子どもたち次第なんだけど。

 

大切なのはね、どんな矢を放つかってことなのだ。

放ったら手放す。

これが正解です。

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

子どもたちに向けて、どんな矢を放ちますか?

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。