子どもと信頼関係を築くために

教育相談 生徒指導

「絶対、親に言わないでよ!」と言われたら…

こんなとき、どうしますか?

子どもたちから、話を聞く。

「絶対、親には言わないでよ!」と言われる。

それで、聞いた話があまりにも重大な案件だったりする。

どうしても親に伝えざるを得ないときがあります。

 

こんなときです。

どうしますか?

 

僕には苦い思い出があります。

 

お母さんに電話をかける。

「ここだけの話ね」

「本人には言わないでね」

と伝える。

それで、伝え聞いた大事な話をする。

 

でね、次の日。

子どもが血相を変えてやってくるんです。

 

「先生、親に言わないって言ったじゃないか!」

 

もう、信頼関係なんてガタガタです。

これは、本当に苦い思い出。

お母さんね、

「先生からこんな電話があったよ!」

って話してしまったんです。

 

子どもが話をできるのは…

子どもたちが心を開いて話をしてくれるのは、ただただ信頼関係です。

この人は、他の先生にも親にもペラペラ話さない人。

それもまた一つの信頼かもしれません。

 

ジャッジもしなきゃ、求められてないのにアドバイスもしない。

それにね、ただ受け止めてほしいだけのときもあります。

そういう在り方も、信頼を築くかと思います。

 

「先生に話すと、すぐに問題が大きくなる」

 

そんな声、よく耳にしました。

そうなると、余計に子どもたちは話をしません。

 

動き出したらね、完璧な形で収束しなければなりません。

でないと、二度と子どもたちは話をしてくれなくなるから。

相談したら絶対に解決してくれるという存在。

結局ね、信頼関係なんですよね。

 

 

どうしても親に伝えなきゃいけないときは…

まず、本人の了解を得ることです。

「これ、伝えてもいいかい?」って了解を得る。

 

「この部分は伝えないけど、この部分は伝えてもいい?」

ちゃんと確認を取ることです。

 

でね、本人の了解が得られないときは、自分の中で飲み込む。

僕はそうしています。

 

それがいいのかはわかりません。

 

「なぜ、教えてくれなかったんだ!」と、後で詰め寄られるかもしれない。

報・連・相ができていないと言われるかもしれません。

 

それでも僕は思う。

子どもたちに対して、誠実でありたい。

一番大切なのは信頼関係だから。

 

子どもたちが大きな悩みを抱えたとき。

教室にいる子が一人で抱え込まないようにしたい。

そのために、何をしておくか。

そういうことが大切だと思うんです。

 

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

どのように子どもと信頼関係を築きますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。