もっと優しくなりたいあなたへ
若いころ、保護者を見て「親なんだから、ちゃんと教育しなよ」と思った。
親になって思うのは、「親をやるって大変だな」ということ。
そんな、簡単ではありませんでした。
親になって初めてわかる親心がありました。
子供のころ、先生たちを見て「先生、もうちょっとちゃんとしてくれない?」と思いました。
その気持ちは今も変わらないのだけれど。
先生になって思うのは、「先生やるのも簡単ではないな」ということ。
多忙な毎日は、時に自分を見失うこともあります。
去年のクリスマス。
予約したピザが焼けてなくてピザ屋さんに批判が殺到するニュースがありました。
大学生のころ、ピザ屋で配達のバイトをしていた僕は、クリスマスの日のピザ屋の地獄絵図を4年間、目の当たりにしてきました。
だから、あの事件でバイトの子たちを責めてる人たちを見ると、気持ちはわかるんだけど、なんだか居たたまれない気持ちになるわけです。
そういえば、東海豪雨の日もひっきりなしに注文が入っていました。
冠水して道路も走れないのでオーダーストップ。
僕はオーダーを受け取る電話の前で謝罪し続けたんです。
「配達できない」と伝えるたびに、電話口から不愉快な言葉を浴びせられましたっけ。
相手に優しくなれるのは、相手のことを知っているから。
相手のことを理解しようとするから。
嫌いな相手のことを僕らは深く知ろうとはしない。
知りたいとも思わない。
だから、優しくなんてできないわけで。
今、世界に足りないのは『理解』だと思う。
「理解してもらいたい」という人は多いけれど、「理解しよう」とする人は少ない。
「わかり合う」のスタートは、まず相手を知ろうとすること。
親も子供も先生も、互いに相手を知ろうとすることがスタートラインなんだと思うの。
「あの子はそういう子です」
「私は、この子のことは何でもわかっています!」
「あの親は、こんな親です!」
そんな言葉を聞くたびに思う。
他人のことは、わからぬことの方が圧倒的に多いのだ。
だから、わかったつもりになっちゃいけないよ。
わかっていないことを自覚すれば、わかろうとできる。
わかろうとするから、優しくなれる。
変えられるのは自分だけなのです。
子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉
相手を理解しようとするだけで優しくなれますから。