「問いかける」という魔法

子供の言葉を引き出すには

子どもの言葉を引き出す

子どもに問いかける。

これ、家庭でも学校でも、すごく大事にしていることです。

「問いかける」って「しつもん」に似ている。

でも、ちょっと違うんだな。

「しつもんするけど、答えは求めない」

そんな感じ。

 

 

問いかけるとき、僕ら大人にはどこか「期待している答え」が存在する。

「こんな問いをしたら、こんな答えが返ってきてほしい」だとか「この流れなら、この答えでしょ?」とか。

ついつい意図を放ってしまうんだ。

 

でも、そういうのは手放してしまう。

投げかけておしまい。

そんな感じ。

 

 

「子どもにどんな質問をしたらいいですか?」

よく聞かれます。

良い質問をしたら、良い答えが返ってくると思ってる?

それは大きな勘違い。

 

実は、問題なのは「どんな質問か」ではなく、「どんな在り方で問いかけるか」だったりするの。

 

たとえば、「それでどうしたいの?」なんて尋ねたら、「あの高校に行きたいです」なんて言う。

「じゃあ、そのために何をしますか?」

なんて尋ねる。

 

 

子どもって敏感だからね。

大人の意図をすぐに感じ取る。

「ほら、勉強しろって言うんでしょ?でも、ヤル気がないっす」

 

 

そんな言葉を聞くと、カチンとくる。

そのカチンは、「コントロールしたい」って思いから生まれるんだけど。

 

それで、「そんなことでどうする?」なんて言って説教が始まる。

だから、子どもは話したくなくなる。

 

意図を手放して、子どもの言葉を信頼すること。

「問いかけ」はどんな答えも正解。

答えが出なくても正解。

 

 

ところが、大人はね、子どもの答えを正解、不正解とジャッジしてしまうことがあるんです。

 

どんな答えでも受け止める。

そういう在り方で子どもに問いかけるんだよね。

 

指導しているわけでも教育しているわけでもないの。

子どもの内側にはちゃんと答えがあるの。

それを引き出すお手伝いをしているに過ぎないの。

 

「ヤル気がないっす」

 

「そうか〜、やる気にならないんだね。最近はどんなことにハマってるの?」なんて問いかける。

 

「特にないっす」

 

「これまではどう?小さいころとか」

 

なんて展開していくわけ。

意図はあるな。

意図がないなんて言ったら嘘になる。

「言葉を引き出す」

それが意図。

 

でも、誘導はしない。

コントロールはしない。

僕が答えを用意しておいて、そこに導くようなことはしない。

 

 

それって、ついつい大人がやってしまうことなのだけど。

 

信頼している相手にしか本音って話さないでしょ?

じゃあ、あなた、信頼されてる?って話なわけ。

 

人間関係は鏡だから。

子供を信頼してなきゃ、子供に信頼なんてされないよね。

シンプルな話なのさ。

 

 

子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉

子どもを信頼すると、言葉は引き出される。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。