「こども保険」と、虐待と。

子ども保険と児童虐待の問題

「こども保険」

社会保険料率を0.1%上乗せすることで、未就学児1人につき月額5000円を支給する。

そうやって、子育て世帯の負担軽減を目指すのだとか。

 

将来的には上乗せ分をさらに引き上げて、助成を月2万5000円程度に拡大。

保育や幼児教育の実質無償化したいのだとか。

 

 

小泉進次郎さんたち自民党の若手議員の皆さんが、そんな「こども保険」の創設を提言したんだそうです。

 

ただ、小さな子どもがいない世帯にとっては、保険料の負担だけが増えることになる。

負担だけが増えるだけの、「子どもがいない世帯」の理解が得られるかを問われた小泉進次郎さん。

こう答えたんだそう。

「子どもがいない人も、将来、社会保障の給付を受ける側になる。

社会保障制度の持続性を担保するのは若い世代がどれだけいるか。

若い人を支援するということは子どもがいる、いないに関係なく社会全体の持続可能性につながるということを説明していく必要がある」

 

個に、個に、向かう時代

子どもを社会全体で育てる。

そういうことって、やっぱり難しいのかな。

 

これからどんどん人口が減少していくでしょ?

バランスよく人口が減るわけじゃないんだよね。

 

若い人が減って、お年寄りが増えるのね。

どんどんバランスが悪くなる。

 

このことに対する危機感ってないよね。

確実に税収が減っていく。

すると、社会保障はもちろんだけど、インフラの整備だって、そのうち手が回らなくなるかもしれない。

 

ホントはもっともっと俯瞰して見なきゃいけないと思うのね。

これから先を見据えて、世界はどうなっていくんだろう?って 視点が必要だよね。

 

けれど、今は「個に、個に、向かう時代」です。

子どもがいる世帯は支援がほしい。

子どもがいない世帯は負担を増やしたくない。

 

全体よりも個。

そういう時代だからさ。

まあ、どちらもごもっともな意見です。

 

 

みんなで育てる意識が必要

以前、児童虐待の話を書いたことがあります。

すると、「私も酷い親だと思います。あんな親はダメです」というコメントが寄せられた。

 

 

僕は、ちょっと違うのになぁ、と思った。

何がちょっと違うのかというとね、まあ、親はたしかに酷いさ。

でもね、それをさせてしまったのはだれだろう?って思ったの。

子どもと母親自身を救うために、社会ができたことは何だったのだろう?ってね。

 

 

んで、「ちょっと違うのになぁ」という気持ちを、できるだけオブラートに包んで伝えた。

すると、こんな意見が返ってきた。 

 

「私が間違っているって言うんですか?」

 

その後は怒りのコメント、連発!

正直言おう!

めんどくせ〜!って思った。

 はい、削除のうえ、即ブロック。

 

 

あのね、児童虐待のニュースを見るたびに思うんだ。

このお母さんは、どうやって育ってきたのだろう?

だれも助けてあげられなかったのかな?ってね。

 

子どもはもちろんだけど、お母さんを助けてあげられなかったのかなって。

 

いつもいつも思う。

虐待のニュースって、その周囲の様子がさっぱり出てこないんだ。

 

親が未熟なのは当たり前。

親をやったことなんてないんだもん。

だれだって親初心者

 

 

だから、寄り添うことが必要なんだよ。

 

 

あるところに、子どもを虐待してしまったお母さんがいたの。

いつも男性に依存して暮らしていた。

まあ、子どもは最終的に保護されたんだけど。

 

話を聞けば、そのお母さんね、子どものころ父ちゃんに殴る蹴るされて、育ってきたんだって。

妹が一人いてね、その子と比べられてばかり。

「お前はいらない子だ」って言われてね。

そういうふうに子育てをされてきたんだよ。

 

それで若くして家を出て。

やっぱり生活力がなくて、男に依存した生活を送っていたの。

 

やがて、子どもが生まれた。

小さい頃はかわいい。

でも、だんだん負担になる。

子どもがいれば、お母さんが女性として男に選ばれることは難しくなる。

依存するしかない状況があった。

子どもに手をあげる男だった。

でも、依存するしかなかった。

それが子育てだと思っていた。

 

だって、それしか知らないわけだから。

そういう子育てしか知らないわけだから。

 

 話を聞けば聞くほど、「この人には、そうするしかなかった止むに止まれぬ事情があったのだな」と感じた。

だからと言って、肯定なんてしないよ。

僕は児童虐待を肯定しようだなんて、欠片も思ってないよ。

 

 

でもね、攻撃するだけ、批判するだけじゃ何も生まれないの。

そのお母さんには、そのお母さんなりの、そうするしかなかった事情があるわけ。

 そこに目を向ける社会にならなきゃ、本質的に子どもは救えないわけ。

 

 

怒りをもって、批判するのは簡単。

正義を振りかざし、善人ぶるのは気持ち良い。

でもさ、それは本質的には何も解決しないんだな。

 

 

もっと俯瞰してみよう。

一歩も二歩も引いてみる。

立ち位置を変えて、全体を眺めてみる。

そういうことが大事なの。

 

 

僕にはその「こども保険」の是非ってのはよくわからない。

もっと勉強しなきゃなって思うから。

この記事は、賛成とか反対とかを伝えたいわけじゃないんです。

 

あのね、もっともっと大人が子どものことを真剣に考える必要があると思うんだ。

教育は未来への種まきだと思う。

でも、このニュースを見て、教育だけじゃないなぁって感じた。

社会全体が未来に種を蒔く意識をもたなきゃなって思う。

 

 

もっと大人が種を蒔こう。

この世界が不毛地帯になる前に。

 

 

 

ハッピーな人生を生きるためのステップ

俯瞰して世の中を眺める視点をもつ。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。