シンプルに思考するクセをつける

ある不登校傾向の生徒がいました。
その子と話をしているうちに、「なぜ学校に来れないか」がだんだんわかってきました。
すると、一つの原因が浮き彫りになったのです。
学校に行く準備をして、玄関を出ようとします。
すると、ハッと思い出すんです。
「あの宿題ができてない」
「今日必要なあれが見つからない」
ちゃんと準備をしたはずなのに、ふと不安が見つかる。
すると、心はそれに一直線。
だから、学校に行けなくなります。
「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、人の性格は様々です。
これまでこの子は、そういうことを通して「先生に叱られる」という経験をたくさんしてきました。
だから、「また叱られるかもしれない」と考えたのです。
人間の「考え方」は、これまで経験してきたことで作られます。
ですから、この子が特別なのではなく、そういう経験をたくさんしてきたから、「忘れ物があったらどうしよう?」「宿題を忘れていたらどうしよう?」と不安になってしまったのですね。
そういうことが、この子とじっくり話していたらわかってきました。
とにかく「できていないこと」が気になるんだそうです。
さて、僕らは「宿題はやるもの」「忘れ物はしないもの」と考えています。
その考えに縛られています。
それが、「こうでなければならない」という価値観です。
ですから、居残りで宿題をやらせたり、家庭連絡を入れて忘れ物のチェックをしてもらったりするわけです。
けっこう、そういう先生の思いやりが、子どもたちの負担になったりします。
でも、そのとき僕はこう考えました。
この子を、この子が抱えている負担感から解放してあげたい。
だって、宿題をやることが負担で、忘れ物をすることが負担で、そのせいで彼女が学校から足が遠のくなら、その負担を取り除いてあげればいいんじゃないのかな?と思ったわけです。
これが正しいことなのか、何が正しいことなのか、僕にはわかりません。
けれど、目の前に困っている人がいたら、自分にできることを精一杯やる。
これが大事だと思うんですね。
幸い僕には「こうでなければならない」はありません。
宿題も忘れ物も、人生においてそんなに重要だとは思えません。
それで、まずゴールを明確にします。
で、ゴールまでを一直線で結ぶわけです。
学校に来るのがゴールなら、その周りにある障害を取り除けばいい。
とってもシンプルな思考です。
発達に課題をもった子がいてね、みんなと一緒には行動できないとする。
じゃあ、何を考えるかというと、「みんなと同じじゃなくてよくね?」と考える。
とてもシンプルです。
みんなと同じことができないから、みんなと同じことをさせようとする。
いや、みんなと同じことができないなら、みんなと違うことをさせればいいじゃないか。
常識やら「こうでなければならない」に縛られると、思考が硬くなります。
枠をつくると、思考がその枠の中でしか考えられなくなります。
頭の中はシンプルな方がいい。
それからたぶんその枠は、他人の評価を軸とした枠だと思う。
これをしておけば後ろ指を刺されない的な枠です。
批判も評価も、あまり僕らを幸せにしてはくれません。
目の前の人を幸せにするために何ができるか。
それだけを考えてみてください。
シンプルに考えたら、他の人が自分のことをどう思うかなんて、あまり重要ではないことに気がつきます。
人がどう思うかとか、どうでもいいんです。
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