プロデュースとは可能性を最大限に引き出すこと

子どもの可能性にフォーカスする

ある人のビジネスをプロデュースすることになった。

著者さんだし、それなりに名の知れた人だし、ビジネス的にも成功しているように見える。

 

 

そんな方から「いっしょに仕事をしてほしい」と言われた。

なんて光栄なことだろう。

 

 

僕は今、ただただワクワクしている。

 

 

 

思えば、僕の仕事はいつだってプロデュースだった。

学級の子どもたちが一番輝くように持っていくのが僕の仕事だった。

 

 

一人ひとり輝くところは違う。

それを引き出すだけだった。

 

 

ある女の子は、「家畜の世話がしたい」と農林高校を志望した。

だが、保護者は反対した。

 

 

「この子の人生は、だれのものですか?」

 

そうご両親に投げかけ、その子は自分が学びたい道に進んだ。

子どもの「こうなりたい!」をただ応援したかった。

 

 

ある子は、東京の専門学校に進んだ。

「女優になる」と言う。

けっこうなクレーマーだったお母さんが、卒業式後に挨拶に見えた。

 

 

「先生のおかげで、娘には夢ができました」

 

そう感謝された。

僕の何かが彼女の背中を押したらしい。

 

 

ある子は、ずっと図書委員をやっていた。

だけど、その子には他を惹きつける「何か」があった。

 

 

「生徒会長やってみたらどうだ?」

そう声をかけた。

 

 

彼女は初めての生徒会立候補だった。

だが、複数の立候補があり、在任中の子たちがいる中でトップ当選を果たした。

 

 

後日、父親から手紙をいただいた。

「娘の可能性を、親である私たちが信じてあげられていませんでした」

 

 

そこには、たくさんの感謝の言葉が並んでいた。

僕は人目をはばからず、涙を流した。

 

 

そんな話は枚挙に暇がない。

僕は、すべての人は天才だと思っている。

ただ、その天才性に気づいていないだけだ。

 

 

僕はただ、人の可能性にフォーカスしているに過ぎない。

そして、その子その子が輝くお手伝いをしているだけなのだ。

 

 

ポテンシャルを最大限に引き出す。

最大限に発揮できる場所を提供する。

 

 

そんなことが大好きなのだ。

 

 

僕が今オーガナイズしている『子育て万博2018inあいち』も発想は同じ。

登壇してくれるみんなの、スタッフをしてくれるみんなの、応援になればいいと思っている。

 

 

だから、正直全然前に出る気がない。

認められたいとも思わないし、目立ちたいとも思わない。

 

 

ただ、みんなが楽しくて、みんなが笑ってて、みんなが大きな何かをつかんでくれたら、それでいいやって思いがある。

これは、何も「自己犠牲」みたいな話じゃない。

 

 

僕はそれが好きなのだ。

 

 

『子どもとつながるしつもんカレンダー』も同じ。

心書家さんの応援になればいいし、そのカレンダーで先生やお父さんお母さんの応援になればいい。

 

 

そう考えると、僕はいつもだれかをプロデュースしていることになる。

 

 

「学校の先生」時代、僕は学年副主任になることが多かった。

実は、そのポジションがけっこう好きだった。

 

 

学年主任の「こうしたい」を形にしていくのが面白かった。

求められた仕事の2割増しにしていく。

だから、けっこう重宝された。

 

 

学年主任をやったとき、心から「副主任のが楽しいな」って思った。

適材適所がある。

僕はスターではない。

スポットライトみたいな存在なのだ。

 

 

生徒指導主事になってからは、とにかく学級担任を応援した。

なので、保護者が怒って乗り込んでくると代わりに対応したし、家庭訪問にも好んで付いていった。

 

 

責任感があったわけじゃない。

ただ、それが好きだったのだ。

 

 

そう考えると、いつもいつも人を応援している。

で、それは「応援しなきゃ!」みたいなエネルギーではないのだ。

 

 

応援するのが好きなのだ。

 

 

我が家では、いろんなトークライブを開催している。

妻がもってくるいろんなご縁を最終的に「形」にするのが僕の仕事だ。

 

 

彼女がそういったご縁を自信をもって運んでこれるのは、ちゃんと企画にしてしまう僕がいるからだ。

僕が何も動かないと、企画倒れになる。

 

 

それもまた、彼女が一番ポテンシャルを発揮できるように、常に考えているわけだ。

 

 

そうやって、自分の人生を紐解いていくと、自分の「好きで得意で無理なくできること」が見えてくる。

結局、自分のポテンシャルが一番わからないわけだよ。

 

 

魔法の質問

 生き生きしているときはどんなときですか? 

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。