子どもとつながる問いかけの魔法
1、すべては「つながり」を育むことから。
すべては人間関係を整えることから始まります。
親と子の関係、先生と児童生徒の関係。
いえいえ、人と人との関係はすべて同じ。
どれだけ耳障りのいい言葉を並べても、
どれだけ大切なことを伝えても、
そこに人間関係がなければ、響かないもの。
ですから、いかにして「つながり」を育んでいくか。
これが、どんな教育技術よりも、
育児書の崇高なるアドバイスよりも、大切だったりします。
これまで、たくさんの子どもたちと出会ってきました。
暴れる子、法を犯す子、友だちとうまくやれない子。
それは、それは、いろんな子どもたちがいました。
一方で、おとなしい子やペースのゆったりした子もいました。
一人として同じ子などおりません。
100人いれば100通り。
1000人いれば1000通りの育ちがあり、
環境があり、親子関係がありました。
僕が出会ってきたのは、
思春期という最も多感な時期を過ごす子どもたちです。
俗に言う「反抗期」の子どもたちです。
ところが、不思議なもので、家庭では「反抗期」、先生たちには「八つ当たり」、そんな子どもでも、僕には心を開いて話をしてくれるのです。
その秘密は僕自身の「在り方」にありました。
2、あなたが変われば、子どもが変わる。
親は親らしくあろうとします。
先生は先生らしくあろうとします。
そういう価値観を、いろんな場面で私たちは与えられて育ってきたのですから無理もありません。
親は、そして先生は、「こうでなければならない」「こうあるべき」。
そんな呪縛が、私たちのどこかにはあって、それが子どもとの「つながり」を育むことを邪魔します。
親は親らしく、先生は先生らしく振る舞う。
叱る。褒める。躾ける。
自分の価値観を押し付け、意のままに操ろうとしてしまいます。
子どもが幼いころは良かった。
でも、やがて子どもたちの自我が芽生え始めます。
子ども自身の魂の声に従い、「どうしたい」という思いが生まれます。
すると、親と子、先生と生徒はぶつかります。
それは大人の視点で言えば「反抗期」であり、子どもの視点で言えば「抵抗」なのです。
ですから、「在り方」が大切なのです。
抵抗する必要のない存在に対しては、
子どもたちは心を許し、
ときに苦しい胸の内を打ち明けてくれるのでした。
3、「つながり」とは互いの心に橋を架けること。
「人間関係を整える」ということは、
人と人の間に橋を架けるのと同じです。
こちらから、一方的に橋を架けようとしても架かりません。
互いが、互いの意思で「つながり」を育もうとしなければならないのです。
だからこそ、大人の「在り方」そのものが問われるているのです。
そこに人間関係がないのに、子どもに干渉しようとする大人は案外多い。
そこに橋が架かっていないのに、
対岸から一生懸命「あ~しなさい!」「こ~しなさい!」と叫ぶ。
橋が架かっていないから、心に響かないし、言葉が届かない。
それはときに力づくの指導を生み出します。
「躾」の皮を被った「暴力」を生み出します。
「在り方」を整えたならば、そんな悲しいことをせずにすむのです。
「力」に頼らずとも、あなたの声が届くようになるのですから。
人と人の関係は鏡です。
相手のことを大切にするから、相手もあなたのことを大切にしてくれます。
愛するから、愛してくれます。
逆に、傷つければ傷つけられる。
無視すれば無視される。
だから、まず「与える」ということ。
あなたが必要としていることを、まず「与える」。
そんな「在り方」で、子どもたちと接してみてほしいのです。
4、このワークブックで届けたいこと。
自分の魂を震わせて、相手の魂も震わせる。
そんな伝え方は、ちゃんと相手に伝わります。
だからね、本音で伝えるって大事なの。
本音で魂を震わせる。
そういうことが大事なのです。
けれど、そんなときも「つながり」が大切なんです。
つながってるから共鳴する。
途切れた糸で「糸電話」はできないように、あなたの思いが子どもに響くのは、そこにちゃんと「つながり」があるから。
大切なことは、相手と周波数を合わせること。
周波数を合わせないと響きません。
共鳴するってのは、こちらだけ響かせてはダメ。
互いの波長が合って、初めて共鳴するのですから。
このワークブックは、
僕が子どもたちと過ごすうえで、
大切にしてきたことをまとめてみました。
これは「在り方」のワークブックです。
「しつもん」に答えながら、
子どもとのつながりを育む在り方をご自身のものにしていただきたいと思います。
それでは、『問いかけの魔法』の世界へようこそ。
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