天才子ども万博(仮)がしたいのだ!

子どもの笑顔

学校の文化祭って本当にクリエイティブか?

 

学校の文化祭は、

子どもたちが主体であっても、

大人の模倣に過ぎない。

 

 

模擬店しかり、

出し物しかり。

 

 

すでにある物の再現でしかない。

 

 

なぜならば、

すでにある物でなければ、

許可が出ないからだ。

 

 

独創的な子どもの発想を受け止めるには、

「学校の先生」のキャパは大きくない。

 

 

いや。

 

 

子どもの発想を受け止めるには、

「大人」そのもののキャパが小さいのだ。 

 

 

僕ら大人は、

その経験上にあるもの以外を受け入れることは、

なかなか難しい生き物なのだよ。

 

 

スマホを見て、

「こんなの売れるの?」

と思った人が大半だったのは、

そんな理由だ。 

 

 

 

それにね。

 

 

僕らには

「こうあるべき」

「こうでなければならない」

という呪縛がある。

 

 

自由を許容するには、

やっぱり大人のキャパは小さいのだ。

 

 

サドベリースクールに行ったとき、

こんな話を聞いた。

 

 

「試されるのは大人です」

 

 

そう。

子どもを自由にするってのは、

大人が試されるのだよ。

 

 

 

例えばもし、

子どもたちの発想をそのまま形にしたら、

どんなものが出来上がるのだろう?

 

 

それはなかなか覚悟のいることだ。

 

 

でもでも。

僕はそこにワクワクしている。

 

 

 

なぜ文化祭なのか

 

国語の先生に評価される作文が、

人を感動させられる文章であるとは限らない。

 

 

美術の先生に評価されるアートが、

人を感動させられるアートであるとは限らない。

 

 

音楽の先生に評価される歌声が、

人を感動させられる歌声であるとは限らない。

 

 

評価とは、

子どもたちの「ある一面」を、

一つの基準で切り取ったものに過ぎない。

 

 

まあ、そういうものを気にするのは、

「学校の評価」の問題でも、

先生の問題でもなく、

ひとえに、そんなもんに一喜一憂しているその人自身の問題なのだけど。

 

 

そんなわけで、

大人の評価の及ばない、

「子どもたちの感性」の発露に立ち会えたら、

最高だと思う。

 

 

運営も子どもたちがしたらおもしろい。

 

子どもたちが演劇をするグループがある。

あるお母さんは、自分の娘をそのグループに入れたかった。

だが、娘さんは一言、

 

 

「表に出るのは好きじゃない」

 

 

 

うん!

そういう子もいると思う。

いていいんだよ。

 

 

そういう子もいるんだから、

子どもたちが運営できたらおもしろいだろうなって思う。

 

 

どうしても、

この手の企画はバックヤードを大人がやってしまう。

 

 

小中一貫校で文化祭をやったとき、

驚いてしまった。

 

 

裏方は全部先生なのだ。

音響、ライト、幕やらスクリーンの上げ下げ。

合唱台の出し入れ。

もう何から何まで先生がやる。

 

 

んで、子どもは舞台で出し物をするだけ。

 

 

なんだか。

見世物小屋の道化師みたいだ。

 

 

んで、高学年の子どもを捕まえて、

「おい、ちょっと運ぶの手伝って」

なんて言ったらさ、

「危ないからダメ!」って。

 

 

「全部、先生がやるの」って。

アホ臭っ!

 

 

子どもを子ども扱いするな。

先日参加した「世界子どもサミット」でも言ってたな。

 

 

子どもを子ども扱いするな。

わかるわ、それ。

 

 

だからね。

 

 

どうしても大人にしかできない部分だけ大人がやればいいと思うんだ。

そっちの方がおもしろいだろ?って思うわけ。

 

 

だから、運営側も子どもたちがやったら、おもしろいんだよ。

受付とか、会場設営とか、案内とか、司会とか。

表舞台に立たないところも子どもがやりゃいいんだよ。

 

 

まあ、グダグダになる部分もあるだろうね。

 

 

でもさ。

 

 

たとえグダグダになってしまったとしても、

それを笑って受け止められる大人だけが参加するなら、

きっとこのイベントは成立すると思うのだ。

 

 

目の前の子どもたちをハッピーにするために

 

この夏、大規模な映画上映会を行った。

クラウドファンディングは、当初の目標を大きく超え、達成率150%に到達。

その資金をもとに、県内8会場で映画『うまれる』『ずっと、いっしょ。』のW上映会を開催。

のべ800人以上に映画を楽しんでいただいた。

 

 

この企画は、9月1日の日が統計上もっとも子どもの自殺が多いというニュースからスタートしている。

夏休みに命について考える映画を見てもらって、子どもたちが自ら命を絶つことを食い止めたい。

そんな思いからだ。

 

 

でも、やりながら

「ちょっと違うな」

と感じていた。

 

 

この企画は、子どもたちのための企画だった。

けれど、お客様はほとんど大人だった。

そして、大人に連れてこられた子どもたちだった。

 

 

映画だけで子どもたちを集めるのは難しい。

主体的に子どもたちに参加してもらうのは簡単ではない。

 

 

あるスタッフが思春期の子どもたちに映画を紹介してくれた。

そしたら、子どもたちがこんな質問をしたんだって。

 

「この映画ってハッピーエンドなの?」

 

 

そうか…、そういうことなんだな。

僕が届けようとしたことはエゴだった。

 

「いい映画だから、見てよ。そして、命について考えてよ」

 

これはもはや善意の押し売りだな…と思った。

 

 

もっとワクワクする企画がやりたい。

「生まれたことには意味があるんだ」とか

「命は尊い」とか

そんな当たり前のことを伝える企画ではなく。

 

 

もっと子どもたちがワクワクする企画がしたいのだ。

 

 

「無料にする」とか、

「学校にチラシを配る」とかで、

子どもを集めようとするのが、

そもそも子どもを舐めていたのだ。

 

 

妻とこんな話をしていた。

 

「これさ、会場にAKB48とか関ジャニとか呼んで「命を大切にしようね」って言ってもらった方がよっぽど早いんじゃね?」

 

 

そう。

大人のエゴで

「この映画、いい映画だよ〜」

って伝えても、

そりゃ伝わんないよ。

 

 

もっともっと、

子どもがワクワクする、

そんな企画を届ける必要があるんだ。

 

 

それで思いついた。

子どもの文化祭だ。

 

 

歌やダンスでもいい。

アートでもいい。

スピーチでもいい。

なんだっていいんだ。

 

 

 

なんの制約もなく、好きなことをやらせたい。

ステージに大人は登場しない。

受付も司会も進行も、すべて子どもたち主体でやっていくと面白い。

 

 

ステージ発表もいい。

模擬店で、自分の作品を販売するのもいい。

とにかく、自分の中のクリエイティビティーを最大限に発揮してもらう。

 

 

そして、

同年代のその姿に刺激を受けて、

自分の生き方を考える。

そんな企画になればいい。

 

 

次の夏は、そんなイベントがやりたい!

コンセプトは『映画上映会』と同じなのだ。

 

 

「子どもたち、生きてるって最高に楽しいぜっ!」って。

「死ぬな!」ではなく「生きろ!」なんだよな。

 

 

僕はそれがやりたい。

 

 

 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。