父と息子の関係を整えたい。


 

やりたいことを見つけてもすぐ変わる、めんどくさいことがあるとあきらめてしまう、何を考えているのかわからない小学五年生の息子との関わりに悩む父親。

自分には心を開かないからうわべだけの会話しかできない。

私は、二人の関係を良くしたい、息子の可能性を父親にも心から信じて欲しいと思います。

息子と父親の関係を良くするには、私は何を心がけたらいいですか?

 

あるお母さんのお話です。

息子さんの誕生日に、お母さんは息子と二人で買い物に出かけました。

「今日は好きなものを買ってあげるよ」と言うお母さん。

 

 

お目当ての漫画の単行本を前に息子さんもご満悦です。

彼は漫画本を6冊ほど手に取りました。

 

 

すると、彼はこうつぶやきます。

「僕、財布も欲しいなぁ」

 

 

お母さんにも「予算」というものがあります。

まずは、財布を見にいくことにしました。

 

 

彼の欲しい財布は、それほど高額なものではありませんでした。

漫画本を数冊あきらめれば、財布も漫画も手に入る。

そんなお値段だったのです。

 

 

それでお母さんは「どうする?」と尋ねます。

そこには意図がありました。

お母さんの考えはこうです。

「あなたの欲しい物、漫画も財布も手に入るよ!」

 

 

ところが、息子さんはこう答えました。

「漫画本」

 

 

お母さん、思わず「えっ!?」と返してしまいます。

両方買えるのに、結局漫画本を選ぶの?と思ったわけですね。

 

 

すると、息子さん。

お母さんの反応を見て、「あっ!やっぱり漫画をあきらめて、財布にする」と言うのです。

 

 

お母さん、「しまった」と思ったらしく、すぐに謝ります。

親の意図を子どもは汲み取り、自分の意見を変えたのですね。

それに気がつけたお母さん自身が素敵です。

 

 

意図を放ってしまったことを詫び、自分が本当に欲しいものを買えばいいという話をします。

子どもの気持ちに寄り添う。

その瞬間、関係性が変わりました。

その日の帰り道、息子さんは日頃思っていることをたくさん話してくれたのだそうです。

 

 

別のお母さんのお話です。

 

 

お母さん、子どもと中華料理屋さんに行きました。

夜も遅い時間でした。

子どもが注文したもの、それは豚骨ラーメンでした。

 

 

お母さんは考えます。

夜遅い時間に豚骨ラーメンは体に悪い(笑)

思わず、「えっ!?」と声が出ます。

 

 

それを聞いたお子さん。

すぐに「やっぱ、醤油ラーメンにする」と言います。

 

 

お母さん、「しまったなぁ」と思ったそうです。

日頃から我が子はいつも「お母さん、○○していい?」と許可を得ようとする。

それが、とても気になっていたのだとか。

 

 

「ごめんね。いいんだよ、好きなものを食べて」

すると、子どもはうれしそうに豚骨ラーメンを食べました。

 

 

豚骨ラーメンでも醤油ラーメンでも、身体に良いか悪いかで言ったら、ねえ?(笑)

まあ、こっちの価値観で意図を放っちゃうよね。

 

 

僕もあるよ。

お昼時にレストラン行ってさ、よし、「好きな物頼んで良いぞ!」って言ったら「じゃあ、ソフトクリーム!」って言われて、「おいっ!」みたいなさ。

子どもって、まあ、そういう存在だよ。

 

 

 

やっぱさ、親ってついつい意図を放ってしまうよね。

子どもをコントロールできる存在だと思っているから。

コントロールできないものをコントロールしようとする。

すると、コントロールできないからイライラする。

 

 

大人はみんな、子どもを変えようとする。

でも、忘れないで。

 

 

アサガオの種を蒔いたらアサガオが咲き、ひまわりの種を蒔いたらひまわりが咲く。

大切なことは他の花と比べることじゃない。

どちらが優れているかなんてものもない。

 

 

その種が芽を出し、花を咲かせれば、それでいいじゃない?

それなのに、それなのに。

大人は子どもを変えようとするんだよな。

 

 

「やりたいことを見つけてもすぐ変わる」

「めんどくさいことがあるとあきらめてしまう」

それって悪いこと?

 

 

小学生なんて、そんなもんでしょう?

「やりたいこと」なんてコロコロ変わるし、めんどくさいことなんてすぐあきらめるさ。

 

 

大人だって、「さあ、ダイエットだ!」とか言っても、すぐあきらめるじゃん(笑)

 

 

「何を考えているのかわからない」のはこの子の問題?

「わからない」の主語は「自分」だもんね。

 

 

人は自分の価値観と異なる価値観に出会ったとき、それを「間違い」だと認識する。

そして、相手を変えようと、コントロールしようとする。

 

 

ところが、変えられるのは自分だけだから、子どもは変わらない。

コントロールできない。

それでイライラするし、「わけがわからん!」となる。

 

 

さてさて。

前述のお母さんたちの話に戻そう。

 

 

お母さんたちは、自ら気づいたんだよね。

意図を放ってる自分、コントロールしようとしている自分にね。

その瞬間、変わったんだ。

お母さんが変わったんだ。

 

 

そして、子どもとの関係が変わったんだ。

 

 

子どもは親を映す鏡さ。

鏡は先に笑わないでしょう?

大人が変われば、子どもも変わるの。

 

 

関係性を整えるためには、大人が変わる必要がある。

でもさ、やっぱ変えられるのは自分だけだからさ。

旦那さんが自分で変わろうとするしかないんだよね。

 

 

あなたに贈る魔法の質問

旦那さんとどのように関わりますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。