子どもにイライラするあなたへ

赤ちゃんの笑顔

怒りをコントロールする。

そのためには、まず6秒我慢する。
そんな話を聞いた。
いわゆる「アンガーマネジメント」というやつだ。
 
でも、ちょっと僕は違和感を感じるんだ。
なぜって?
 
僕は昔、中国は上海で暮らしていた。
街を歩けばそこかしこでいざこざを目にする。
 
 
罵声をぶつけ合う男性。
涙を流して地団駄を踏む女性。
「自分を生きる」といえば聞こえはいいけれど。
 
 
ストレートに自分を表現する。
いや、表現できる。
そんなところが彼らにはある。
 
 
自己表現をストレートにする国民性がある。
そういう国では、6秒我慢することはとても有効かもしれない。
 
 
けれど、日本人はどうだろう?
6秒どころか、その怒りを家まで持ち帰り、布団に入ってからもイライラし、モヤモヤする。
 
 
感情に蓋をするのが得意なのだ。
なぜ、子どもや旦那にだけは「怒り」を表現できるのか。
表現してしまうのは。
 
 
それは受け止めてくれるからだ。
まあ、正確には「受け止めている」わけではないんだけど。
 
 
「怒り」の裏側には、自分の本当の気持ちが隠されている。
そこに目を向けたい。
 
 
自分のことすらわかっていないくせに、他者を理解したつもりになる。
人間って傲慢だよ。
 
 
僕らは「行動」と「感情」を選ぶことができる。
何かにイライラしたとき、そのイライラは自分で選んだ「感情」だと捉えたい。
 
 
では、なぜ「怒り」を選んだのだろう?
そこには、自分を守るための「何か」があるはずなのだ。
 
  
子どもが「学校に行かない!」と言う。
その言葉に「怒り」を感じたとする。
 
 
子どもの言葉に反応した自分。
守りたいものは何だろう?
 
 
自分の時間がなくなる?
ダメな母親だと思われる?
義父母や旦那さんに責められる?
 
そういう自分と向き合ってみる。
どこまで行っても自分なのだ。
 
 
僕らは感情に蓋をすることに慣れてしまった。
それと同時に、子どもには感情をぶつけてしまったりする。
 
 
それは依存。
それは傲慢。
 
 
我慢よりも俯瞰。
まず、自分の感情と対話する。
そこから始めてみるといい。
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。