評価社会の息苦しさ


僕らを取り巻く社会は今、「評価」に溢れている。

youtubeも食べログも、利用者が評価を下す。

 

 

フェイスブックの「いいね」は決して評価ではない。

評価ではないけれど、評価に感じている人もいる。

「いいね」が多ければ「良い」で、「いいね」が少なければ「悪い」

そんな風に捉えてしまい、息苦しさを感じてしまう人もいるようだ。

 

 

先日放送され『THE MANZAI』でウーマンラッシュアワーが昨年にひき続き、時事問題をネタにして話題になっている。

「賞賛の声」と「非難の声」。

結局これだって「評価」なのだと思う。

「良い」か「悪い」かのジャッジだよね。

 

 

お笑いといえば、M-1グランプリもそうだ。

審査員を務めた上沼恵美子さんの審査の「評価」が話題になっている。

「とろサーモン」の久保田かずのぶさんと「スーパーマラドーナ」の武智正剛さんの発言が物議を醸している。

 

 

他者に対する意見というのは、結局「評価」なのだと思う。

 

 

「酒を飲んだ勢いで配信するのは怖いねぇ」ぐらいの受け止めでも良い気がするのだが。

この世界で起こることは、すべてが学びだから。

 

 

そうそう。

元モーニング娘。の吉澤ひとみさんが飲酒運転のひき逃げ事故を起こした事件も記憶に新しい。

あれなんかもそうだ。

みんなが事件の詳細や裁判の結果について、あーだこーだ言う。

裁判中も飲酒をしていたらしい。

そのことについても、あーだこーだ言う。

 

 

それを裁くのは、有資格者である裁判官さんなわけだけどね。

 

 

それに限らず、判決が下ると、だいたいまた賛否両論が渦巻く。

刑が重いだ軽いだ。

果ては極刑にしろ!だの、名前を晒せ!だの。

 

 

恐ろしい国だと思う。

事件が起きると、名前や顔写真を晒そうとする動きもある。

社会から抹殺する。

それって法治国家じゃなくない?って思う。

 

 

そうそう。

シリアで拘束された安田純平さんの話なんかもそうだなぁ。

生きて帰ってこれてよかったね、と思った。

人の命よりも尊いものはないし。

 

 

でも、世間の風はそうでもなかった。

「自己責任」という言葉がネットを躍った。

政府に啖呵を切ったのに、政府に助けてもらうとは…みたいな論調だ。

 

 

こうやって互いが互いを評価し合う社会って息苦しいよね。

「評価」なんて、主観だもん。

そんなもんで、「良い」「悪い」と言われるの、ヤダなぁ。

 

 

先日もね、メルマガ読者限定で動画撮影してアップロードしたの。

そしたらね、「悪い」の評価をいただいたの。

まあ、正直傷つくよね。

 

 

メルマガ書いていても、時折お怒りのメッセージをいただいたりするのね。

まあ、正直傷つくよね。

 

 

そうすると、もう書きたくなくなる。

批判に溢れた評価社会では、人は発言をしなくなるよ。

 

 

ある中学生の女の子がこんなことを言っていたんだ。

自分とは異なる意見と出会ったとき、どう受け止めたら教室の空気がよくなる?って訪ねたの。

 

 

彼女はこう答えたんだ。

 

 

「それもありだな!って思うようにしている」

 

 

なるほどな、って思った。

まあ、こんなことを書くと、上記の事件を「それもありだな!って思えってことか!」とか言われそうだけどね。

 

 

そうじゃないよ。

 

 

起こった事件を「評価」することが大事なわけではなく、そこから何を学ぶかが大事だと思うんだ。

そして、自分と異なる意見に対しては「そういう考え方もあるんだなぁ」ぐらいにポップに受け止めた方がいいと思うんだよね。

 

 

その方が社会が明るくなると思うんだ。

許せない事件だっていっぱいあるよ。

この前の高速道路での煽り運転の挙句、車を停車させ後続のトラックが突っ込んで死亡事故につながった事件もあったじゃない。

あんなの、許せないニュースだよ。 

 

 

でも、それを評価しても仕方がない。

そこから何を学び、どこに進むのか。

大切なのはそこだと思うんだ。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。