子どもの話を鵜呑みにする前に。
ある事件について、
容疑者が逮捕されました。
容疑者には弁護士が味方につきました。
その事件の裁判。
裁判官は事件の概要を知ると、
弁護士の話だけを聞きました。
容疑者側に立った弁護士の話だけを聞いたのです。
弁護士は無罪を主張しました。
そして、裁判官は判決を下しました。
当然、判決は「無罪」でした。
裁判官から話を聞いてもらえなかった検察官は怒ります。
そして、上告しました。
上告した裁判。
裁判官は事件の概要を知ると、
今度は検察官の話だけを聞きました。
容疑者が犯人である理由を
検察官はいくつも並べました。
当然、検察官は有罪を主張しました。
そして、裁判官は判決を下しました。
当然、判決は「有罪」でした。
「そんなの当たり前じゃないか!」
と思うでしょう?
でも、
案外僕らを取り巻く世界では、
一方の話だけを聞いて判断していることが
ほとんどなのです。
裁判官は事件の概要を知っていました。
それでも、
片一方の主張だけを耳にすると
意見は偏るのです。
当たり前のことですが、
忘れないでください。
だから、
両者から話を聞くことが大切です。
芸能人の不倫のニュースから、
事件事故、
子ども同士のトラブルまで。
とにかくありとあらゆる事象について、
僕らは一方向から見ていることがほとんどです。
まして、子どもの話ならばなおのこと。
親は我が子の話だけを聞いて、
それを全体だと捉えてしまわないでください。
子どもが嘘をつくと言いたい訳ではありません。
どちらの子も真実を述べている。
けれど、この真実は
主張する人間のフィルターを
通して見た「真実」であることを
忘れてはいけないのです。
だからこそ、
両者の話を聞かねばなりません。
多くの場合、
一方の主張にしか耳を傾けていないことが
多くあります。
話を聞く前から、
「どちらかが正しくて、
どちらかが正しくない」
とジャッジしていることさえあります。
だからこそ、
いつだってフラットでありたい。
ただ、親という立場で、
フラットに両者の話を聞くことは
難しい。
だって、人間だもの。
だから、そんなときはフラットに
話を聞ける存在を頼りたい。
そして、
頼ってもらえる先生でありたい。
そんなことを考えます。
一方の情報だけではわからない。
そんなことは山ほどあると思うのです。