「仕事を辞めたい!」と思ったあなたへ♬
「仕事をやめるの、怖くなかったですか?」
これ、よく聞かれる質問です。
お答えしましょう。
「怖いですよ!怖いに決まってるじゃないですか?」
あの…、我が家は妻と3人の子どもの5人家族です。
4人を養っていた僕が、突然無職になるのです。
しかも、「仕事を辞めたい」と言う僕に、妻は言いました。
「お父ちゃんなら大丈夫よ。私も働かなけどなんとかなる!」
驚異の「働かない宣言」(笑)
いや、そこは2人でがんばろーや。
働かんのかい!!
そんなわけで、彼女はお金を使うことの専門家です。
さあ、こういう状況で、次の仕事の当てが特にあったわけでもない僕。
「仕事を辞める」ってのは、そう簡単ではありません。
ですから、校長先生に「仕事を辞めます」とはなかなか切り出せませんでした。
(本当にいいのだろうか?)
「辞める」と口に出せば、もう後戻りはできません。
「最後に中学3年生を卒業させて退職しよう」とは決めていたものの、いざとなれば踏ん切りがつかないものです。
そんな折です。
僕の元には、校外の仕事が次から次へとやってきました。
僕はただでさえ多忙を極めていました。
僕は最後の一年、恐ろしい校務分掌量を与えられていました。
学年主任で、進路指導主事で、学級担任。
図書主任、国語主任、研究部長。
なぜか、学校の方針で学年会計まで学年主任の仕事。
学級通信と学年だよりを書き、修学旅行の企画も僕が担当しました。
ちなみに、授業は2学年♡
ええ、仕事量が致死量です。
その状況で、あっちの研究会からもこっちの研究会からも仕事がやってきます。
これらは校外のお仕事であり、ただのサービス業務です。
出張だってダブルヘッダーが当たり前。
これだけ分掌があったら、当然出張も被るのです。
そこに校外の仕事が加わったらどうでしょう。
おそらく確実に過労死できます。
あるとき、僕は校長先生に言いました。
「この仕事量は職場としておかしい」
「管理職としてこの分掌の割り振りはおかしいと思わないか?」
なぜならば、最後の職場は「新卒しか来ない」という特殊な職場だったのです。
まったく人材を引っ張ってこれない管理職でした。
3学年とも僕と同期の先生でしたが、あとは新卒。
多忙すぎて、育てる余裕すらないのです。
しかし、校長の答えはシンプルでした。
「他にやれる人がいないから」
(もしかしてバカなのか?)
と思いました。
それを育てるのがあなた方の仕事であり、人材を確保しマネージメントするのが「管理職」の役割でしょう。
人材を引っ張ってこれなかった挙句、人がいないのだから仕方がないと、一部の人間に仕事を偏らせる。
こんなマネージメント能力のない奴が管理職なのかと思うと、腹の中が煮え繰り返る思いでした。
だから、思いがけずこんな言葉が口に出たのです。
「僕はもう、今年で仕事を辞めます。この学校での仕事は最後まで責任を持ちます。でも、校外の仕事は校長としてすべて断ってください。それがあなたの仕事です」と。
上海から帰国し2年間、公立中学校で教員をして退職しました。
もし赴任した先が違っていたら、僕はまだ教員だったかもしれません。
だから、赴任した学校が悪かった、とはこれっぽっちも思いません。
人生は流れの中にあります。
これは「退職しなさいよ」という神様からのギフトなのです。
「あなたは先生で終わってはいけない」というメッセージだったのでしょう。
導かれての「今」があります。
すべては「必然」と呼んでもいい。
僕は人生の流れに逆らいませんでした。
「辞める」という流れが来ていたのです。
あのまま続けていたら、僕はパンクしていたでしょう。
「職務的に」ではなく、「精神的に」という意味でパンクしていたでしょう。
それは神様が僕にくれた「流れ」だと思います。
僕はそれに逆らわず、「辞める」という選択肢を選びました。
命はちゃんと運ばれていきます。
流れに逆らわず、宿命の波に乗りながら、命を運ぶ。
これが運命です。
運命は自分で選択したことの結果です。
今、あなたにはどんな風が吹いているでしょうか?
「仕事を辞めたい」と思ったときは、人生の流れを感じてみてください。
今がそのときなのか。
それとも「待ち」のときなのか。