僕らは今、何と戦ってるのか。


ふと気づいたんだよね。

今、僕らはコロナウイルスと戦っているように見える。

 

でもさ、実際は僕ら、「今の状況」と戦ってる気がするんだよね。

 

 

缶詰状態の現状と戦ってたりさ。

コロナに対する家族間での考え方の違いと戦ってたりさ。

ネットでニュース見て、「不安」や「恐れ」の気持ちと戦ってる人も多いかもしれない。

 

 

未だにコロナがどのくらい怖いのか、ピンと来ない部分も多い。

自分が媒介となって人に感染させてしまう怖さってのはあるよね。

 

 

みんな平気で車に乗るし、インフルエンザの予防接種を打たない人も多い。

交通事故やインフルエンザで亡くなる人の方が多いのにな。

 

 

自殺者だっていっぱいいるんだよ。

それなのに「いじめ」はなくならないし、SNS上では他者を傷つけるような言葉が飛び交っている。

 

 

考えてみれば、自分自身の行動が他者の命を奪う可能性はいくらでもある。

これはコロナウイルスだけではない。

 

 

何も「コロナウイルスは怖くない」だなんて言ってるわけじゃない。

そこにフォーカスしすぎると、恐怖が倍増するだけだよ、という話なのだ。

 

 

ほどほどに恐れ、必要な措置を講じ、できるだけ日常の中を生きるしかないと僕は思う。

 

 

この自粛モード、いつまで続くのかな、と考えてみる。

ワクチンも特効薬もない中で、開発の時間を稼ぐために自粛している。

ってことはゴールは1年後とか1年半後とか2年後とか、そういう感じなのだろうか。

 

 

経済がどれほど落ち込むかは想像がつかないし、今は大丈夫な仕事でも周囲の経済が回らなくなれば、いずれ崩壊するのは目に見えている。

 

 

例えば「教育」について考えてみる。

「公教育」をオンライン化していくことは、おそらく難しい。

 

 

これが巷に溢れた「教育ビジネス」と「公教育」の大きな違いだと思う。

「公教育」は、日本で暮らすすべての子どもたちに等しく教育するものだからである。

 

 

経済的に豊かな者だけが学べるものを「良し」とはしない。

すべての子どもたちが学べなくてはならない。

 

 

子どもたちの生活環境は本当にそれぞれで、学校の先生なんて仕事をしていると「格差」を目の当たりにしてばかりだ。

一流企業にお勤めの方や経営者、医者に議員に、そりゃ裕福なご家庭もいっぱい見てきた。

 

 

一方で、不法就労で親が逮捕されちゃう外国籍の子どもとか、生活保護の申請ができず、でもご飯も食べられないご家庭とか、堅気じゃない方とか、児童虐待とか、もう、書ききれないぐらい複雑な親子関係とか、山のように見てきた。

 

 

「学校の先生は社会を知らない」とか言ってくる人いるけど、たぶんこんなに多種多様なご家庭と関わって、なんなら「家庭訪問」と称して家にまであがり込んで、かなり混みいった話をしたりするわけで、かなり社会の隅々まで知っている職業もまた「学校の先生」なのである。

 

 

で、そうやっていろんな家庭環境を考えたとき、「オンラインは無理」って家庭も想像できてしまうんだな。

ネット環境がない、とか、タブレットがない、とか、家の空気がもうカオス、とかな。

 

 

じゃあ、どうする?

これは地域の置かれた実情を鑑みて考えなければ答えは出ない。

 

 

ところで、今、そういうちょっと大変なご家庭及び子どものケアとかどうしてるんだろう?

年度が変わり、担任の先生が変わったタイミングだから、うまく引き継げていないことも多いかもしれない。

心配だな、って思う。

 

 

で、この状況、ゴールデンウイークまで続くだけとは思えない。

収束していくまで続くのだろう。

その終わりが何日後なのか、何ヶ月後なのか、まったく見えない。

 

 

未だ「1日の感染者数」は増加の一途を辿るばかりだ。

これはかなり長い戦いになるのではないか、ということだけは想像がつく。

 

 

だから、「今が耐えどき」なのではなく、次の暮らし方への「今が準備のとき」だと思うのだよ。

ステイホームして、ぼんやり過ごすだけじゃダメだよ。

次に向かわないと。

マジで忙しいよ、今。

勝負の4月だと思うよ。

 

 

コロナと戦う前に、僕らはいろんなことと戦わなきゃいけない状況にある。

長期戦を覚悟し、次の戦いの準備をしてほしい。

 

 

「耐えて凌げばなんとかなる」ではない。

これからは長期戦。

今の状況と付き合う準備をしなければならないのだと僕は思う。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。