このごろSNSやZOOMに疲れているあなたへ〜さあ、オフラインにして目の前の人を幸せにしようぜ!〜


僕は今、ドラクエ3にハマっている。

(懐かしいなぁ…)と思いながらプレイしている。

ちなみに、ドラクエ3は1988年リリース。

 

 

そう、昭和63年。昭和最後の年に発売された名作中の名作ゲームだ。

約30年前、小中学生だった僕らのような世代は夢中になって冒険した記憶があるのではないか。

 

 

あの頃、僕らは閉じられた世界にいた。

テレビのニュースなんて見なかったし、新聞も大して読まなかった。

友達との話題がその世界の中心で、それこそ「ごっつええ感じ」とか「ひょうきん族」とか「カトちゃんケンちゃん」とか、押さえておけばいい、いくつかのテレビ番組さえ押さえておけば共通の話題に事欠かない、そんな時代を生きてきた。

 

 

やはり、僕らは今、情報過多の時代を生きている。

情報に疲れてしまう、そんなところがあるように思う。

 

 

テレビもネットもコロナ、コロナ、コロナ。

それだけではない。

市井の人が発信する情報もコロナ、コロナ、コロナ。

それでは僕らは疲れてしまう。

 

 

これ、実はコロナに限らない。

台風が来れば台風、台風、台風。

熱中症が来れば熱中症、熱中症、熱中症。

 

 

高齢者が交通事故を起こせば、免許返納、免許返納、免許返納。

芸能人が覚せい剤やったら、薬、薬、薬。

不倫したら不倫、不倫、不倫。

 

 

とにかく、一つの情報に煽られて、僕らの周りは同じようなキラーワードで汚染されていく。

そういったマイナスの感情が僕らの心からエネルギーを奪っていくのだと思う。

 

 

僕らはどうも、オンラインの状態を長く保持しすぎていると思うのだよ。

オフラインにして生活することをもっと大切にしたほうがいい。

 

 

僕も妻も最近、フェイスブックへの投稿が激減している。

そんなにも外に発信したいことがないんだよね。

 

 

この頃、「ZOOM疲れ」なんて声を耳にする。

どうもこれ、「SNS疲れ」とか「ネット疲れ」とも呼んでいて、総称すると結局「コロナ疲れ」ってことなんだろうけど。

 

 

僕はいつも夜22時スタートでZOOMをしている。

ちなみに僕は数年前からZOOMを活用している。

『子育て万博』や映画上映会などの準備も一度も顔合わせをせずイベント開催してきたから、おそらく3年前ぐらいから活用してきたことになる。

 

 

そこで心がけていることが時間帯である。

実はこれ、すごく重要。

 

 

僕らはまず、目の前の人を大切にしなければならない。

目の前に「家族」がいながら、外の人とおしゃべりしていることに僕は大きな違和感を感じていた。

 

 

たとえば、スマホが一気に広まったとき、カフェでそれぞれがスマホをイジっているカップルを見て、僕は強い違和感を感じた。

目の前に恋人がいるのに、スマホをイジることが僕には理解できなかった。

それが今では普通の光景になっている。

 

 

以前、ディズニーランドに行ったときもそうだ。

並んでいる人がみんなスマホをイジり、子どもたちはゲーム端末と格闘していた。

せっかく「夢の国」に来たのに、そこに「日常」を持ち込んでいることが、なんだか滑稽に思えた。

 

 

いつからだろう?

僕らは「目の前」で起きているリアルよりも、「スマホ」の中の世界を「自分の世界の中心」に置くようになってしまったのは。

 

 

ZOOMのミーティングを設定するのは、決まって家族が寝静まる時間帯。

目の前の人との時間を終えた後、僕らはオンラインでつながることにしたのだ。

 

 

こういう、ごくごく当たり前の感覚を失ったとき、僕らの心は疲弊する。

いくらオンラインが充実していても、オフラインが味気ないものであっては、僕らの心は乾いていくばかりだ。

 

 

僕らはどうも外に人とつながり過ぎているし、外から情報を得過ぎている。

インターネットに常時接続し、4Gは僕らに大量の情報を与え、SNSは外の世界とのつながりを強めていった。

 

 

そんなところにコロナウイルスがやってきて、僕らは今、無理やり家族と向き合う時間が始まってしまうことになった。

 

 

この時間をギフトと思って楽しめている家庭もあれば、地獄のように感じている人もいるようだ。

我が家は…というと、とても穏やかな時間の中を過ごしている。

気持ちが「家庭」に向いているので、そんなにSNSに発信しようとは思わない。

 

 

SNSという場所は自己承認欲求を満たす場所でもある。

他者の「いいね」に自分の「人生の1ページ」を賞賛してもらう媒体なのだ。

 

 

よく「SNS疲れ」なんて声も耳にする。

そんな人にこんな話をする。

SNSは人生のハイライトをダイジェストでコピペした媒体だ、と、

隣の芝生は青く見えるもので、そこにどっぷり浸かると自分の「日常」がさも味気ないものに見えてしまうのだ。

 

 

最近は僕の周りでは積極的にSNSに投稿する人が増えた。

コロナ以前よりも確実に増えているように見える。

 

 

だが、思う。

コロナ以前の方が情報は充実していたし、最近は「お家でどう過ごすか」みたいな情報ばかりだ。

実はそこ、そもそも人がそんなに他者には見せたがらない「プライベートな世界」だったように思う。

 

 

コロナが始まり、家庭におけるごくごくプライベートな世界を切り取って、こぞって世界に発信するようになった。

だんだん外との「つながり」を生み出すことにエネルギーをかけだしたことがよくわかる。

 

 

そういうエネルギーの流れを僕は眺めながら、とても懸念を強めている。

気持ちが外に向かうとき、心の中では何が起きているだろうか。

 

 

先日、ある女性が「私は今、世の中に伝えたいことがある」と言った。

僕にはそれが「みんなに私のことを理解してもらいたい」と聞こえた。

一言で言えば(寂しいんだな…)と感じた。

 

 

そういうとき、人間の言葉は灰汁が出る。

臭いし、エラそうだし、何より人の心に響かない。

僕はその人の話を聞きならが、「なぜこんなにも心に響かないんだろうか?」と考えていた。

 

 

気持ちが外に向かい過ぎているのだ。

外ばかり眺めていては見えるものも見えなくなる。

 

 

もっと目の前の人を大切にしよう。

自分自身を大切にしよう。

そこが満たされてからの、外の世界である。

 

 

常時オンラインでいることは、僕らを目の前のリアルから遠ざける。

オフラインにして、目の前の人との時間をもっと味わい尽くしてほしい。

 

 

あれ? ドラクエ3の話は全然関係ないじゃないか。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。