子どもの「秘密の話」にどう対応すべきか


 

 

あるご家庭の話。

お父さん、息子くんと2人のときに、ある打ち明け話をしてくれたんですね。

「そうかー」という感じで、特に気にも留めてなかったんです。

 

そんな話はすっかり忘れていたある日、友人家族との会食。

妻がうれしそうに息子の話をするんですね。

 

 

でも、何かがおかしい…。

息子の口から聞いていた話とはずいぶん食い違うわけです。

 

 

それでお父さんは気づきました。

あの打ち明け話、お母さんにはしていないんだ…って。

 

 

当然その打ち明け話は、息子くんの秘密ですから、お父さんは黙っておくことにしました。

 

 

僕らはついつい、子どもの話を根掘り葉掘りと聞き出そうとします。

でも、それは子どもにとって、うれしいことではありません。

 

 

子どもは、なんでも話を聞いてほしいわけじゃない。

聞いてほしい話は聞いてほしいし、聞いてほしくない話は聞いてほしくないんです。

 

 

そして、他人にペラペラ自分の秘密のような話をしてしまう人に、やはり自分の秘密は話せないですよね。

 

 

これ、学校でも同じでして。

よく、生徒に言われる。

 

 

「他の先生や親には内緒にしてください」って。

 

 

そんなとき、僕はまず概要を尋ねます。

「何系の話?」みたいな感じでww

 

 

そのうえで、僕の腹の中に収めておける話であれば「他の人には話さない」と伝えるし、そうでなければ「他の人にも伝えないわけにはいかない」と伝えます。

もちろん、その理由も添えます。

 

 

絶対にやってはいけないのは、「他の先生や親には内緒にしてください」って話を「他の先生や親」にすることです。

これは裏切りです。

 

 

この世で最も重いのは信用と信頼。

そして、これらを培うのはとても困難で時間もかかります。

ただし、失うのは一瞬です。

 

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。