「やり方」よりも「在り方」の時代です♪


第2の故郷

船越耕太くんが我が家に泊まっていった。

5泊6日(笑)

途中1泊はホテル泊の予定だったのだけれど、

我が家の居心地がよくキャンセル。

 

 

昨夜は移動日のため、

会場近くのホテルに宿泊の予定。

 

 

でも、

「ただいま」

と帰ってきたので、もう1泊(笑)

 

 

そんなわけで5泊6日。

もう家族みたいなもので、

4兄弟のように子どもたちと遊んだり、風呂入ったり。

 

 

彼の実家である「百姓屋敷わら」。

ここ愛知県にも第2の故郷ができたと思ってもらえれば幸いだ。

 

 

パンツを洗うと重ね煮は美味しくなる? 

朝食は食べない耕太くんだけれど、

朝、味噌汁だけは飲む。

 

 

それで僕は毎朝お味噌汁をつくってきたんだけど、

今朝は「重ね煮の味噌汁」を作ることにした。

 

 

専門家に食べさせるのは、少しプレッシャーになる。

けれど、最後の朝だから、「重ね煮の味噌汁」にした。

 

 

しいたけ、たまねぎ、にんじんを重ねて煮るだけ。

レシピだけを見れば、シンプルで簡単な料理だ。

 

 

けれど、彼は言う。

 

「わらに重ね煮を習いに来ても、美味しい重ね煮はできないんです」

 

「わらに来た研修生は師匠のパンツを洗わされる。掃除をさせられる。料理なんて教えてもらえないんです。でも、研修を終えた人の重ね煮は美味しいんです」

 

 

これはどういうことだろう?

 

 

同じような物は作れても、同じ物は作れない

以前、堀江貴文さんが「寿司職人が何年も修行するのはバカ」と発言をし、賛否両論物議を醸し出したことを思い出した。

寿司職人は一人前になるのに「飯炊き3年、握り8年」と言われている。

 

 

たしかに、僕の友人は学生時代、バイト先の回転寿司チェーンで寿司を握っていた。

今じゃ、機械が寿司を握ってくれる時代だ。

 

 

堀江貴文さんのお話も一理あるな、とは思う。

 

 

だが、同じ料理は作れても、同じ美味しさは作れない。

 

 

世の中には、たくさんのレシピがあふれている。

クックパッドを見れば、だれだって同じような料理は作れる。

分量も調理方法も間違えなければ、同じような料理は簡単に作れるのだ。

 

 

だが、同じような料理は作れても、同じ料理は作れない。

それができるならば、レストランに行く人などいなくなってしまう。

 

 

googleなどの検索エンジンは、僕らをあっという間に「答え」にたどり着かせる。

巷には手法があふれており、忙しい日々の暮らしの中でHow toだけが一人歩きを始める。

 

 

「在り方」よりも「やり方」が重視され、この国から「美しさ」という概念が消え去ろうとしているように感じる。

 

 

効率性だけを追い求める時代は、もう時代遅れなのではないか。

そんな気がしてならないのだ。

 

 

 

日々を丁寧に生きるということ

彼の生き方はとてもシンプルだ。

うどんを茹でる姿も、トイレを掃除する姿も美しい。

この美しさは、丁寧な日々の暮らしに集約されている。

所作の美しさ。

佇まいの美しさ。

 

 

ニッポンの美は、文化財に限らない。

この国で暮らす人々の在り方そのものにこそあるのではないだろうか。

 

 

僕は重ね煮を作ったことがない。

たまたま「重ね煮講座」の朝、次男坊が怪我をした。

だから、講座も出ていない。

 

 

それでも、僕はレシピを見て、「重ね煮の味噌汁」を作ってみることにした。

 

 

電磁調理器の我が家だけど、ガスコンロを取り出し、ガスでお湯を沸かした。

包丁は丁寧に研ぎ、一つ一つの食材をゆっくり確実に刻んでいった。

 

 

食材を前に、心から感謝する。

僕の心にはいろんな人の顔が浮かんできた。

嫌いな人も好きな人も、みんな僕を育ててくれたんだ。

 

 

そうして、やっぱり心にこの「しつもん」が浮かんできた。

 

「目の前の人を幸せにするためにできることはなんだろう?」

 

妻や子どもたちへの感謝があふれてきた。

このお味噌汁を美味しく飲んでくれたらいいな。

あぁ、それもエゴか。

 

 

淡々と飲んでくれればいい。

そうして、元気に1日を過ごしてくれたらいいな。

 

 

そうか、そういうことか。

 

 

「やり方」より「在り方」なんだ。

 

 

在り方を整えると、すべては循環する。

手法をいくら学んでも、教室は変わらない。

手法をいくら学んでも、子どもとの関係は変わらない。

 

 

「この授業で、子どもたちが国語を好きになってくれたらいいな」

「このクラスでよかったって言ってもらえたら最高だな」

そんなことだけを考えてきた。

 

 

頭でっかちになって、他者の評価を気にするほどに、教室は暗い影を落とす。

先生がワクワクしているか。

お父さんお母さんがワクワクしているか。

 

 

そっちの方が100倍大事だった。

だから、僕の子育て講座は「在り方」をお伝えしている。

 

 

便宜上、子育て講座と呼んでいるけれど、本当は「子育て」の話なんかしていない。

大人の在り方が変われば、子どもが変わる。

そんなシンプルな話なのだ。

 

 

料理も子育ても在り方だよ。

完全に「やり方」から「在り方」の時代にシフトしているんだ。

 

 

魔法のしつもん

どんなことにワクワクしますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。