人間のことがわからない。わからないから学ぶんです。
人間関係って難しいな、って思う。
「良かれと思って」という勘違いで、人は人を傷つけるし。
「そんなつもりはなかった」と言って、人は人を傷つけるし。
まー、兎にも角にも、ズレているわけです。
伝えたつもりが伝わらず。
聞いたつもり、言ったつもり。
こんな「つもり」が積もり積もって、人間関係はすれ違う。
人の心って、本当にわからないな、って思います。
先日、大学時代に心理学部で「心」の研究をした女性がこんな話をしてくれました。
大学に入学してすぐ、心理学部の教授からこんなことを言われたそうです。
「心理学部に入れば人の心がわかるとお思いでしょうが、人の心がわかりません」
そう聞いて、彼女。
愕然としたんだそうです。
「心」が学びたくて入学したのに、一発目の授業で「心はわかりません」と宣言されたのですから、無理もありません。
でも、続けて教授が言うのです。
「わからないから学ぶのです」と。
なんかいいな、と思いました。
僕は今、人の心を学んでいます。
僕には人の心がわかりません。
わからないから学んでいます。
命式術を学んでも学んでも、教えても教えても。
その真髄はわかりません。
わからないから学んでいる。
そんなところがあるのです。
僕は人と出会い、話をするたび、そこから人と自分との違いを学んでいます。
人間の数だけ自分との違いを発見し、それで持って「私とは何か」を知るのです。
僕自身のこともわからないし、相手のこともわかりません。
命式を物差しにして、今日も僕は人を学んでいるんですね。