ドラえもんを求めている人は、いつまで経っても「のび太くん」のままなんだぜ
アメリカでは『ドラえもん』のアニメ放映について、契約まで漕ぎつけたものの、結局放送には至らなかったことが3度あるそうです。
アメリカで『ドラえもん』は流行らない…との判断だそうなんですね。
一方、日本では「アニメと言えばドラえもん」です。
不思議な四次元ポケットから便利な道具をたくさん出してくれる、子どもたちの憧れです。
「欲しいもの=ドラえもん」です。
で、なぜアメリカで放映に至らなかったのか、という話なんですが、主人公である「のび太くん」は、「映画版」以外では成長しないってところがポイントみたいです。
一切成長しないんですね。
いつもジャイアンにいじめられていて、ドラえもんに助けてもらって、でも最後にハメを外しすぎて終わる、というワンパターン。
助けてもらって成長しない。
この姿はアメリカ的には、「見せたくないアニメ」となるのでしょう。
アメリカで流行るのは、ヒーローズ・ジャーニーと呼ばれるストーリーです。
落ちこぼれの主人公が成長しながら、幾多の困難を乗り越え、やがてヒーローとなる。
このような定型に沿ってストーリーが作られています。
ハリーポッターなんかは、その典型です。
日本のアニメに話を戻すと、わりとデフォルトで「すごいヒーロー」が多い。
成長はするのですが、そもそもスタートから「すごい」のです。
ルフィも最初から「ゴム人間」で、それなりに強い。
「キャプテン翼」の翼くんも、最初からサッカーがうまい。
悟空もちょっと修行したら、天下一武道会で勝ち上がってしまう。(子どもですからね、一応)
「それなりにすごい人」が成長するか、誰かが助けてくれるモデルがウケる、ってのは、なんだか皮肉のようにも思います。
子どもの頃から、男の子ってヒーローに憧れる。
でも、それってアニメや漫画の影響が大きくて。
最初は落ちこぼれの主人公が成長していくって物語が流行ったら、もっと「自分の長所を伸ばしたい」って大人が増えたのかもな、とか思ってみたり。
「いつかはきっと」
「私にも何かある」
そんなことを思う大人が多いのは、そんな文化があるからかもしれません。
努力に優る才能はありません。
生まれながらのヒーローはいないんです。
行動したヤツが勝者のこの時代に必要なのは、ドラえもんではないんでしょうなぁ…というお話でした。