数字にできない「貢献」に目を向けることで、一人ひとりの「存在価値」を高めていく。
人を評価するときは、成果物を評価することが多いです。
数字となって表れる部分を、評価基準をもって評価します。
そのほうが主観を伴わずに評価し、評価する者が変わっても、ある程度の「評価のブレ」をなくすことができるからです。
この評価を、「成績」に限定するならば、それでもいいでしょう。
しかし、「評価」を評価された者の「次への成長のステップ」と捉えるならば、数字にはできない部分を評価すべきです。
それは、学習内容と直結しなくてもいいんです。
例えば、班活動の中で他者の言葉に真剣に耳を傾けることができたとします。
それは「学力」とは直接関係のないことかもしれません。
真剣な表情ですが、右の耳から左の耳へ、スゥーーっと流れているかもしれませんww
それでもいいんです。
そのことが真剣に聞くことで、そこにいる誰かは、「話す」ということに対するモチベーションの維持に役立っているはずです。
そこをきちんと評価したいのです。
何も、それを点数に加えてください、と言っているのではありません。
先生は、その子の「影響」や「貢献」を意識して捉え、フィードバックしてあげてほしいのです。
この「数字」にできない「影響」や「貢献」を意識して捉える感覚は、リーダーに欠かせない感性だと思います。
「いつも気持ちのいい挨拶ができるね」
「あなたがいると話し合いが活性化するね」
「そこにいるだけであたたかい気持ちになるね」
このような「数字」にできない、その人の「影響」や「貢献」を言語化してあげるのです。
それは、その子自身にとって、自分の「存在価値」を知る機会になり、少なからず自己肯定感にも影響を与えることでしょう。
それだけではありません。
周りの児童生徒もまた、先生の視点を通して、「人の良いところを見つける」ということの大切さを学びます。
これは何も教室だけの話ではありません。
スポーツチームのグラウンドでも、会社の事務所でも、家庭の中でだって。
みんながそんな意識で、その人の「影響」や「貢献」を言語化していくことは有効です。
自分の存在を認めてくれる人がいる。
これは人間にとって、とても大切なことなのです。