なぜ私は期限ギリギリにならないと仕事ができないのか


「私、いつも仕事がギリギリなんですぅぅぅ」という相談をよく受ける。

切羽詰まらないと仕事ができないタイプらしい。

 

 

それで、尋ねられる。

「先生、どうしたら計画的に仕事ができるんですか?」

 

 

その人の「仕事の仕方」というのは完全に後天的な要素である。

勝手にみんな、仕事の仕方を先天的要素にくっつけたがるけれど。

 

 

仕事なんてものは、完全に世の中ってものに出てから「やり方」を学ぶわけで、こんなものは後天的な要素を反映しているのだと僕は思っている。

最初に指導してくれた先輩の影響とかも大きいだろうし、学生時代の経験も大きいだろう。

 

 

つまり、簡単に言えば、過去の成功体験から生まれている。

 

 

おそらく、若い頃はわりと早めにやっていたはずなのだ。

未経験のときは、期限に間に合わなかったらマズいことになる。

だから、早め早めにやっておくようになる。

 

 

ところが、人間なんてものはだんだんいろんな経験を積んでくる。

仕事がギリギリな人は、過去にスレスレでも何とかなる経験をしているのだ。

 

だから、「私、いつも仕事がギリギリなんですぅぅぅ」という人に、「それで、仕事が期限に間に合わなかったことがあるんですか?」と尋ねると、決まって「そんなことはない」と答えるのだ。

 

 

「じゃあ、別にいいじゃないですか」と言う僕に、

「でも、やっぱ、仕事ってギリギリじゃダメじゃないですかぁぁ」と言う。

 

 

ダメなのは、仕事がギリギリなことではない。

仕事が期限に間に合わないことである。

 

 

間に合っているなら、あとはあなたのペースだ。

大切なことは早くやることではなく、期限に間に合うことなのだ。

 

 

ちなみに、僕の仕事は早い。

依頼されたすぐにやる。

 

それはなぜか。

 

 

僕は常に仕事に追われている。

やれるときにやらないと、次々に仕事がやってくるのだ。

そんな過去の経験が僕に、とにかく「さっさと終わらせよう」とさせるのである。

 

 

僕はそんなにしっかりものの人間ではない。

できれば遊んでいたい。

これが僕の持って生まれた特性。

いわゆる先天的資質。

 

 

でも、仕事はさっさと終わらせる。

どんどん仕事がやってきて、溜めておくと破綻するから。

その経験が僕の仕事のペースを早くする。

これが後天的資質。

 

 

先天的資質は変えられてないけれど、後天的資質は変えられる。

だから、僕がいずれ暇になったら、たぶん仕事はゆっくりになる。

もともとの先天的資質は「遊び心」がいっぱいの「火性+」をもっているからである。

 

 

まー、結局さ、間に合ってるならいいじゃん?

早くやる意味なんてないんだよ。

 

 

僕は今、そんなことを考えている。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。