お母さんにファンになってもらうために欠かせないマインド

応援してもらいたければ、自分がお母さんを応援して、ファンになる

僕が犯した大きな失敗

 

『ハッピーな先生』にとって大切なことは、

お母さんにファンになってもらうことでした。


僕は若いころ、そういうことに気がつかずに懇談会を行ってきました。

無知であることは恐ろしく、そして悲しいことです。

たくさんの失敗を積み重ねてきました。

 

その女の子は、責任感があり、係りの仕事も丁寧にこなします。

文章も上手に書くし、提出物もきちんと出します。

ホントにいい子。

だけど、人前ではまったく話しません。

 

個人懇談会のおり、お母さんにこんなお話をしました。

 

「Aさんは、ホントにいい子ですね。

 やるべきことを丁寧にやり抜くし、素晴らしいですね」

 

終始、和やかなムードで懇談会は進みました。

ところが、です。

 

「だけどね、お母さん。

 Aさん、みんなの前でお話する場面になると、

 話ができなくなってしまうんですよね」

 

すると、お母さんは急に血相を変えて怒り出しました。

 

これまで会った先生、

 みんな同じことを言うんです。

 なんでしゃべれなきゃいけないんですか?

 ウチの子はそういう子なんです!

 それじゃダメなんですか?」

 

僕はただただ謝罪しました。

お母さんの心を傷つけたことを深くお詫びしました。

 

 

また、別の男の子。

その子は忘れ物の多い子でした。

提出物も出せません。

 

「お母さん、どうしてもBくんは提出物が出せないんですよね」

 

すると、やはりお母さんは怒りだしました。

 

私に何ができると言うんですか?

 あの子は、何が必要かなんて一言も言わないんです。

 だったら、先生が毎日家に電話して必要なものを伝えてくれませんか?」

 

僕は、このお二人との出会いに感謝しなくてはなりません。

とても大切な気づきをいただけたのですから。

 

 

相手に望むことを、まずはこちらからする

 

子どもたちのできていない部分を親に伝える

これは、よくあることですよね。

 

だけどそれは、お母さんにとっては、

これまでがんばってきた『子育て』

否定されているように感じさせてしまうかもしれません。

 

少なくとも、そう感じてしまうお母さんはいる。

 

学校に行くたびに、

「忘れ物が多い」

「宿題をやってこない」

「一人でいる」

「嘘をつく」

なんて言われたらどうでしょうか。

 

お母さんの気持ちを想像してみてください。

 

これでは、ファンになってもらえなくて当然です。

 

保護者に応援してもらおうと思うなら、

保護者を応援することが大切です。

 

保護者にファンになってもらおうと思うなら、

保護者のファンになることです。

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 

 保護者を応援し、保護者のファンになる

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。