日本代表のコスタリカ戦で考えるリーダーからのメッセージ


残念な結果に終わったコスタリカ戦。

ドイツ戦が終わって、なんかもう「コスタリカなんて余裕でしょ?」的な空気が日本のお茶の間にはあったから、その落胆たるや大きかったわけです。

 

前半はドイツ戦から大きくメンバーを変更して臨みました。

5名の変更。

いわゆるターンオーバーというやつです。

 

 

で、試合に負けたので一斉にバッシングを浴びているのは、α森保監督。

「なんでターンオーバーしたんだ?」と、ドイツ戦を機にサッカーファンになった方々から、非難の声が届くわけです。

 

 

でも、あれですね。

コスタリカ戦に勝ってたら、「よくぞターンオーバーをした!」と言われていたはずでして。

逆にドイツ戦と同じメンバーで戦って負けたら「なんでターンオーバーしないんだ?」」となりますし、まあサッカーファンは「そんなもんだ」ということを、α森保監督は十分にわかっているはずです。

 

 

アジア予選から「これでもか、これでもか」というぐらい叩かれてきました。

もう今さら、どうってことないだろうな、と思います。

 

 

で、コスタリカ戦。

失点したのは後半36分でした。

そのときのメンバーがこちら。

 

 

このメンバー、いいですよね。

Ω吉田麻也選手、Ω遠藤航選手、α守田英正選手。

3人の本質はJewel(宝石)。

 

 

磨かれなければ「ただの石ころ」なんですが、ヨーロッパでガンガン磨かれてきた3人です。

実は長らく日本代表の主将を務め、今もドイツで活躍しているΩ長谷部誠選手もJewel(宝石)の人。

やだ、もう、日本の守備陣、宝石箱みたい💕

で、このJewel(宝石)の人と相性が良いのがSUN(太陽)の人。

α冨安健洋選手とα谷口彰悟選手。

この3バック、見てみたい気がします。

 

 

β板倉選手もJewel(宝石)のフォロワーとなってくれる人だし、組み合わせ的には悪くないと思いますが。

 

 

それで今回、世間の皆様のやり玉にあがっちゃったのが、α長友佑都選手と交代で3バックの左に入ったΩ伊東洋輝選手。

「バックパスマシーン」だなんて揶揄されたりしてるんだけど。

 

 

確かにコスタリカ戦、Ω伊東洋輝選手はすぐにボールを下げてしまう。

左サイドに入ったα三笘薫選手がドリブルでコスタリカDFを切り刻んでいたからね、視聴者からしたら「三笘君に出してよ!」って気持ちになるのも無理はない。

 

 

でもね、Ω伊東洋輝選手は左利きの選手なので、α三笘薫選手にパスを出しやすいのね。

右利きのα長友佑都選手に比べれば相手DF陣に引っ掛けられにくい選手なんだよね。

 

 

だから、「さあ、得点を取りに行くよ!」というメッセージが、α森保監督から伝わっていれば、ガンガン縦パスを入れていくと思うんだな。

彼はΩの、しかも黄色

「さあ、行こうぜ!」となったら、ガンガン行くタイプなんです。

 

 

同じΩΩ浅野拓磨選手とΩ堂安律選手が得点を挙げてるんだけど。

大舞台に強いタイプの人たちなんです。

ましてや彼もまた、23歳の若さでドイツで活躍している選手。

「ワールドカップだから硬くなった」とは思えないんですよね。

 

 

インタビューを読むと、α森保監督から「このまま0-0でもいい」というメッセージが伝わっている感じがしました。

それがあの、消極的なプレー(に見えるプレー)につながってしまったのではないかと思います。

 

 

失点につながったシーンについて、こうインタビューに答えています。

 

「僕は(吉田)麻也君につないだ形になった。やっぱりゴール前のリスク、大きくクリアするのか、多少リスクを負ってでもつなぐかは、またチームでも話し合っていきたい部分」

 

 

つまりね、チームとして「是が非でも点を取りに行こう!」なのか「0-0の引き分けでいいので勝ち点1を取ろう」なのか、意思統一ができていなかったってことになる。

 

 

引き分けでもOKの戦い方なら、Ω伊東洋輝選手がリスクを追わずにGKのα権田修一選手にバックパスをしていたのは、全然納得のプレーなんです。

左利きの選手は縦パスがつけやすい反面、身体を外側に開く必要があるため、「縦に当てます。リスキーだったら止めます」みたいな動きはどうしてもしづらいんですね。

視野が狭くなりますから。

だから、リスクを負わずに戦うなら、さっさと後ろに預けてしまうのは、正しい選択だと思います。

 

 

でも、そうすると今度は失点シーンが疑問なんです。

Ω吉田麻也選手がα守田英正選手に無理につなごうとしたところを奪われてしまいました。

「0-0の引き分けでいいので勝ち点1を取ろう」が伝わっていれば、シンプルに大きく蹴り出してしまう場面です。

代表歴の長い主将のΩ吉田麻也選手が、そんな判断を誤るはずがありません。

 

 

ピッチ上の選手は「是が非でも点を取りに行こう!」だったのだと思います。

α森保監督が切った交代のカードも、Ω浅野拓磨選手、α三笘薫選手、α南野拓実選手、α伊東純也と攻撃的な選手を次々と投入しています。

届けたメッセージは「是が非でも点を取りに行こう!」です。

 

 

これがα前田大然選手やα久保建英選手のような守備でもハードワークするタイプの選手を投入していたら、違うメッセージが伝わったかもしれません。

 

 

タイムアウトが取れないスポーツはメッセージが伝わりにくいんですね。

組織を動かすうえで、リーダーのメッセージをきちんと届けるのは、とても重要なことです。

組織で意思統一を図らないとバラバラになっちゃう。

これはスポーツに限りません。

 

 

「点が取れたらいいな、でも0-0で進んだら引き分けでもいいな」

α森保監督、きっとこんな気持ちで揺れていたんだろうな、と思います。

 

 

点は取りたいけど、リスクを負って無理に点を取りに行って失点するのは避けたい。。

結果として、想定しうる最悪の結果になってしまったんですね。

 

 

 

監督のタイプ的には、ドイツ戦のように「点を取るしかない」という状況の方が、チームが目指す方向がハッキリしそうです。

 

 

「点が取れたらいいな、でも0-0で進んだら引き分けでもいいな」という状況のとき、スペイン戦に負ける可能性を考えて「絶対点取って勝つぞ!」とか、コスタリカ戦でターンオーバーしたし、スペイン戦で勝つか引き分けるかできそうだから、「ここは勝ち点1で十分だ」と決断するβタイプの監督ではないんですね。

 

 

判断に迷うんです。

 

 

それでスペイン戦です。

気持ち的には勝つしかないですが、同時に行われるドイツとコスタリカの試合結果によっては引き分けでも決勝トーナメントに進めます。

こういう状況は好ましくないんですね。

 

 

▽▽▽人材分析システムはこちら▽▽▽

https://minacrew.co.jp/crewdocks-introduction/

 

 

 

注目の一戦

日本とスペイン、ドイツとコスタリカは同時に試合が始まります。

そして、この試合に大きな影響を与える試合が実はあるんです。

 

 

それがグループFの「カナダvsモロッコ」「クロアチアvsベルギー」です。

グループFは現在①クロアチア ②モロッコ ③ベルギー ④カナダです。

ここまで2連敗中のカナダがモロッコに敗れた場合、ベルギーが勝つか引き分けると、モロッコが1位通過します。

 

 

日本がいるグループEの1位は、12月6日にグループFの2位と対戦します。

2回戦では現在グループGの1位ブラジルと対戦する可能性が高そうです。

 

 

グループEの2位は、12月7日にグループFの1位と対戦します。

2位の方が休みも長くなります。

 

つまり、モロッコがグループFの1位になると、スペインは日本に勝って1位通過をすると、1回戦がベルギーorクロアチア、2回戦がブラジルとなります。

大差で負けなければ予選通過できるスペインは、日本に敗れて2位通過すると1回戦がモロッコ、2回戦がポルトガルとどこかの勝者、みたいな組み合わせになります。

 

 

スペインが最初から負けてくれるなんてことはないでしょうが、日本が先に点を取った場合、「無理しなくていいんじゃね?」となることは十分にありえます。

ロシアワールドカップで予選の3試合目、日本はポーランドに1点リードされながらも無理して同点ゴールを目指しませんでした。

あんな感じのことって、サッカーではあることなんですよね。

 

 

ここまで試合に出ていない選手と交代してターンオーバーしたうえで、「ワールドカップで優勝するためだ!」と割り切って戦っても、サッカー文化が根づいたスペインならば許されるのではないでしょうか。(むしろ無理して勝って選手が怪我した方が批判されそう、、)

日本はこういうとき「正々堂々」を好むので叩かれますが…。

それに期待する、というよりは、そういうことも起こりうるのがサッカーというスポーツだという見方をすると面白いかな、なんて思います。

 

 

ブラボーな長友選手

「ブラボー!」が印象的なα長友佑都選手。

コスタリカ戦後のインタビューで、こう述べています。

 

「上手くいかなかった選手が批判されている、というのは聞いています。もちろん批判されるのは当たり前ですけど、それは若手にではなく、若手が躍動する雰囲気を作れなかった僕のようなベテラン選手に対してというか、一番批判を受けるべきなのは僕だと思っています」

 

戦犯のように扱われるΩ伊東洋輝選手を思いやっての言葉はまさにαって感じです。

黄色の選手はチームのムードをつくりますからね。

元気を運んでくる人なんです。

 

 

でも、大丈夫。

Ω伊東洋輝選手はΩタイプ。

すっきり切り替えて試合に臨むでしょう。

若い選手が潰さないように、潰れないように育てたいものです。

 

 

さあ、もうすぐ運命のキックオフですね。

ここまで試合に出ていないα柴崎岳選手はスペインで長くプレーしています。

きっと出番を心待ちにしているでしょう。(そういうタイプです)

 

 

ここまで出場機会のないΩ町野修斗選手あたりは、「この試合で一発、ヒーローになってやろう」と思ってるんじゃないでしょうか。

大一番で力を発揮するΩタイプですから。

 

 

とはいえ、α森保監督は、これまでの選手を大切に、これまでの戦い方をするタイプです。

急場で新しい試みはしない気がします。

となるとチャンスは後半かな。

 

 

楽しみな選手がいっぱいいます。

遠く海の向こうでがんばっている選手の活躍を心から祈ります。

 

 

 

▽▽▽人材分析システムはこちら▽▽▽

https://minacrew.co.jp/crewdocks-introduction/

 

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。