減災という考え方


9月1日は『防災の日』

さて、『防災の日』の9月1日、校長先生から災害についてお話をいただきました。

また、A先生、B先生に 絵本『請戸小学校物語』の読み聞かせをしていただきました。

東日本大震災の際、請戸小学校の児童は先生の指示のもと素早く行動し、近くの大平山に避難しました。

その結果、一人として津波によって命を失うことがなか ったという物語でした。

 

1923年9月1日、神奈川県の相模湾沖を震源として地震が起こりました。

関東地方を中心に静岡県まで大きな被害をもたらし、10万5千人が死亡あるいは行方不明になったとされます。

 この関東大震災を慰霊するとともに、台風・大雨の多いシーズンでもあることから、9月1日を『防災の日』と定め、様々な場所で防災訓練が行われています。

来るべくして来る、その日に備えて

3月11日、教頭先生が職員室から飛び出してきて、叫びました。

 

「先生、大変です。地震ですよ。教室を見てきてください」

 

その声を聞いて、私は校舎に走りました。


廊下を全力疾走し、閉まったままの教室の扉を開けました。

すると、先生も生徒も口をぽかんと開けたまま、天井で揺れる照明灯を眺めていました。
だれもが言葉を失っていました。
私は思わず、「机の下にもぐりなさい!」と大声を上げました。

 

「訓練のための訓練」では、いざというときに対応できません。

大人である先生たちですら、いざ大きな地震 を前にしたときには、呆然として我を忘れ、的確な判断ができなくなるのです。

だからこそ、すべての人が当事者意識をもって、真剣に防災・減災について考え、備えをしていかなければなりません。

 

この地方には、大きな震災が必ず起こると言われています。

みなさんは、その言葉をどこまで「自分事」として受け止めているでしょうか。

 

名古屋大学の福和伸夫教授からお話を伺いました。

東北の地震では、被災した人 は全国民の5%ほどでした。

その方たちを95%の人たちで支援しました。

太平洋側全域で大きな震災が起きれば、日本国民のかなりの人が被災すると言われています。

それを残りの人たちで支援するのです。

「助けてもらえばいいや」という意識ではいけない。

 

助けが来ない可能性を考えて備えなければならない、というお話でした。

 

それぞれの人が当事者意識をもち、徹底的に備えることが必要です。

あなたにとっての大平山はどこですか?

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。