「かけがえのない自分」を愛するということ


「かけがえのない自分」を愛するということ

我が家の末っ子は、吉村医院という岡崎市にある一風変わった病院で産まれました。

この病院は、ちょっと、いやかなり変わっているため、全国的にも有名な病院です。

 

初めて行ったときは、本当に驚きました。

お医者様も、看護師さんも一様に割烹着を身につけているのです。

病院の裏庭には、萱葺き屋根の古民家があり、そこで妊婦さんたちが薪割りをしたり、昔ながらのかまどで調理をしたりして、妊婦生活を楽しんでいました。

 

ですから、待合室に飯ごう炊さんのような匂いが漂ってくるのです。

 

ここには『お産の家』と呼ばれる日本家屋があります。

そこの和室の布団の上で、私と兄姉に見守られながら、 次男は実に穏やかに産まれてきました。

それは本当に静かで幻想的な命の誕生でした。

娘は、助産師さんの手の中で、母親の体から頭だけ顔を出した次男をなでながら「かわいい」と声をあげて喜んでいました。

 

まさに産まれる瞬間を、 その目に焼き付けていたのだと思います。

 

やはり、こういうとき男というものは弱いものですね。

妻の頭の上に腰をおろし、長男と私は所在なくうろたえておりました。

それでも、ヘソの緒のついた状態の次男を二人で抱っこし、命の産まれる瞬間を心の底から味わい尽くしました。

 

人の命をなんとも思わないような悲しい事件が後を絶たない昨今です。

命とは尊いものであるという、かくも当たり前のことを、今一度心に落としたいものです。

 

さて、テストが終わりました。

テストが終わると、テスト結果に一喜一憂し、優越感に浸ったり、劣等感にさいなまれたりする姿を目にします。

ですが、学業成績だけで人は測れるものではありません。

『あなた』という存在は、かけがえのない価値をもった存在です。

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。