伝わらない想いが伝わる方法

学級崩壊

心と心の結び方

で、心に訴えられるようにと…まず信頼関係を…と、授業でしんどかった生徒と休み時間に話したりしています。

個人的に話をして私の思いを伝えたい!(なぜ授業中はお喋りしてはいけないか分かって欲しいなど)と思って、授業中一番気になった生徒を呼んで話していました。

周囲のこと、将来のこと…話をしますが全く通じません。

右から左という感じです。

周囲のこと、将来のこと…。

それは信頼関係が生まれてからするお話ですよね。

 

 

「この先生のこと、信頼してもいいんだ」

子ども自身が自分自身に許可を出したとき、初めて交わせる会話なんだと思います。

 

 

子どもが求めていないときにね、ズケズケ踏み込んだらどうでしょう?

たぶん、子どもはこう感じますね。

 

 

うぜぇ!

 

 

だからね、もっと軽い話題がいいんじゃないでしょうか。

 

 

くだらない話ほど、くだらなくないんだな♪

信頼関係が結ばれていない人からですね、

「なんか悩んでない?ねえ、相談して!」

なんて言われたら、どう?

絶対相談しないじゃん?

 

 

「話を聴く」よりもね「耳を傾ける」って感じのが近い。

そういう意味じゃ、バカな話をバカになってできるってすごく大事。

 

 

これはもうね、相手への興味100%で話を聴くのがいいの。

 

 

この前もポケモンの話で盛り上がったな。

やったことはないんだけど、話を聴いてたらおもしろくってね。

なんかポケモンって、すごい数のモンスターがいるんだって。

「へぇ〜っ、で、どれだけモンスター持ってるの?それは強いの?」なんて話で盛り上がる。

 

 

家族で夕飯に行ったって聞けば、そこ美味いの?安いの?どこにあるの?なんて話で盛り上がる。

 

 

まず、そうやって人間関係をつくるんですね。

 

すべてのスタートはそこからです。

 

 

想いはね、込めるものなのだ。

でね、信頼関係ができたら、もうちょっと突っ込んだ話もできるかと思うんです。

でもね、相談する相手は子ども自身が選ぶもの。

相談したくなったら、相談してくるさ。

 

 

それでもね、「先生の想いを伝えたい」みたいな気持ち、わからなくはない。

うん、伝えたいよね。

 

 

でもね、そんなの語ったって伝わらないよ。

なぜなら、想いは込めるものなの。

 

 

僕は学級崩壊を経験したことがある。

全然、座っていられない子どもたち。

それでね、授業はすべて自作のプリントを作ったんだな。

毎時間、プリントを作るのってなかなか骨の折れる作業。

子どもたちの様子を見ながらね、この子たちが楽しんで取り組んでくれるには、どうしたらいいかな〜って、ホントに心と頭を使ったよ。

 

 

フラッシュカードもいっぱいつくった。

自作のカードでゲームしたり。

いっぱい教育書も読み漁って、おもしろい実践を探したり。

 

 

授業をちゃ〜んと受けさせたいときはね、そうやって先生自身を磨いていくんだ。

授業自体に想いを込めて作るんです。

 

 

「伝えた想い」は伝わらないが、「込めた想い」は伝わります。 

 

 

「こんなに伝えているのに、なんでわからないの?」

こんな想いは、傲慢です。

「先生と生徒」じゃないんです。

 

「人と人」なの。

上も下もないの。

 

 

 

あ〜、これ夫婦も一緒だな…(←ひとりごと…)

 

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

どこに想いを込めますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。