学級崩壊はチャンスだ!

学級崩壊

学級崩壊から学んだこと

立ち歩きはしないものの、席が離れた者同士でも、普通の声で普通に私語。

身体はすぐに横を向いてしまう。

注意をしてもすぐにザワザワザワザワ。

足も机から出す。

腕も後ろの席に置く。

最初と最後の挨拶もなかなかできない。

やり直しを何度もすると余計にダレる。

昔、リアルな学級崩壊を体験したことがあります。

本当にだれも座ってないの。

いや、だれもは言い過ぎか…。

4分の1ぐらいは座ってたな。

 

笑っちゃった。

「おいおい、いくらなんでもおもしろすぎるだろっ!」

教室を眺めながら、もう笑っちゃいました。

 

なにせ立ち歩きすぎなんです。

順番に座らせていくんだけど、次々に立ち歩いていくの。

授業者の先生は、そんな状況でも授業を続けていく。

んで、僕は座らせていく。

怒鳴ったって聞きやしないもんだからね。

 

もうね、その状況に笑えて仕方なかったの。

「おぉぉっ、リアル学級崩壊じゃ〜っ!」

 

なんで座ってられないの?

で、いろんなことを試したんです。

でね、一番効果があったの、何だと思います?

これがまた笑えるんだけど。

 

折り紙を輪っかにしてチェーンをつくるヤツ。

あれ、ひたすら作っているとき。

なぜか、あれだけみんな黙って座ってる。

 

「学級レクやるぞ〜!」ってことで、ひたすら「輪っか」を作ってたの。

「とりあえず飾り付けからだ!」って言って「輪っか」ばかり作ったの。

レクの中身は何にも考えずに、「輪っか」だけ作ってた。

で、輪っか作りながら子どもたちとね、バカな話ばかりしていたの。

 

「教室何周分作るの?」って感じでね、ただひたすら作ってた。

そしたらね、「輪っか」を作ってる間だけは座ってるの。

僕の話も聞いてるの。

 

他の時間は、ず〜っと立ち歩くんだけどね(笑)

 

で、気づいたことがあるんです。

 

あんまり勉強が得意な子たちじゃなかったの。

だから、授業がつまらない。

いや、勉強そのものがつまらないの。

授業って覚えることばかりだけど、覚えられないし。

ノートを書き写すなんて、つまらないし。

それに、授業中はかまってもらえないし。

 

立ち歩いたら、かまってもらえるもん。

 

でね、輪っか作るのなんて、簡単じゃない?

ハサミで切って、のりで貼るだけ。

全員、できるの。同じことが。

劣等感抱く必要ないんだよね。

だから、みんな一生懸命やれるの。

ちゃんと座ってるの。

 

なんだ。

座れなかったのは、この子たちが悪いんじゃないんだ。

そう気づいたら、また笑えた。

変わるのは子どもじゃない。

大人なんだってね。

 

いい?変わるのは大人だよ。

 

やっぱ子どもは最高の存在だ。

この子たちに出会わなかったら、今の僕はなかったな。

 

でね、そのあたりからかな、主体的に学ばせるってことを意識し出したの。

どうやったら、この子たちがおもしろがって学ぶかな、って考えるようになったんです。

 

主体的に学ぶ子ども

勉強つまらない〜!って子に、「勉強楽しい」って言わせたい。

ただ、それだけ。

点数上げよう、とか全然思ってなくてね。

この子たちに学ぶ楽しさを伝えたいなって、シンプルに思ったの。

 

あらゆる学習活動を、レクリエーションにする。

あらゆる学習活動を、エンターテインメントにする。

 

そんなことばかりを考えて、ず〜っとやってきたんです。

だから、アクティブラーニングの話を聞いたとき、「えっ?今ごろ?」って思いました。

 

エネルギーをかけて注意しても、言うことなんて聞かないんだよね。

僕なら、そのエネルギーを全力で「おもしろい授業」「おもしろい学級活動」に傾けます。

 

座ってるだけ、マシです。

作業ばかりは、「逃げ」じゃないですよ。

子どものことをよ〜く見てください。

子どもの気持ちをよ〜く感じてください。

できることは山ほどあります。

 

怒鳴っても叱っても、な〜んの解決にもなりません。

大切なことはエネルギーをどこにかけるかです。

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

目の前の問題から学べることは何ですか?

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。