子どもだけでゴールにたどり着く!

授業参観 理科

長男くんの授業参観に行ってきました。

理科の授業でしたね。

 

 

「死海ではなぜ人が浮くのか」

 

 

そんな課題をみんなで考える授業でした。

子どもたちが司会をして話し合うんですね。

先生はその様子を見守っているだけ。

 

 

授業参観でこれができるのは、なかなか子どもたちを信頼しているなぁと思いましてね。

勇気がいりますよ。

 

 

子どもを信じて手放すってのは、実は勇気と覚悟がいるのです。

 

 

ちなみに、海水の塩分濃度って3%ぐらいなんだそうです。

んで、死海は23〜30%もあるんだって。

塩分濃度が高くなると浮力も大きくなるんだそうな。

 

全部、googleで調べました。

 

 

googleで調べたら、まあ一瞬でたどり着けちゃうんだけど、それを子どもたちが話し合うわけです。

で、この課題が面白いなぁ…と思うのはですね。

「じゃあ、塩分濃度が高いとなんで浮力が高くなるのさ」ってところなんです。

 

 

どうもこれ、googleに尋ねてもハッキリしない。

大人の結論は「塩分濃度が高くなると浮力が大きくなる」で終わるわけ。

それ以上の説明は、難しくなる。

「それはそういうものですから!」みたいな感じね。

 

 

塩分濃度が高くなると、密度が大きくなる。

これを人間に喩えて説明している子がいて、なるほどって思った。

「2人で支えるより、5人で支えた方が力が楽でしょ?」みたいな。

 

 

で、また「塩分濃度が高くなると、なんで密度が大きくなるの?」とか「密度が大きくなると、なんで浮力が大きくなるの?」とかなっていくわけ。

 

 

このやり取り。

まあ、大人にはまどろっこしいんだけど、僕は(おもしろいなぁ)と思っていたわけ。

 

 

教えたら早いのよ。

「塩分濃度が高くなると浮力が大きくなる。はい、これテストに出すから覚えとけ!」ってね。

子供の疑問は「それはそういうものですから!」ってねじ伏せても処理できちゃうわけ。

 

 

でもさ、ホントの学習って何なの?ってのを考える必要があるよね。

「いい成績を取ること」

「受験に合格すること」

それが学ぶことの価値だと思っている保護者から見たら、「早く教えてどんどん先に進んでよ!」って思うだろうね。

 

 

僕も昔ね、授業参観でこういう授業をしたわけ。

あとで、保護者から苦情が来たもんね。

小グループで話し合うって授業だったんだけど。

 

 

「ウチの子は何も意見を言わない。あれなら、漢字の書き取りをひたすらやらせてもらった方が力がつく」って。

いやいや、意見を言うことだけが価値じゃないのよ。

黙っていたって考えてんのよ。

 

 

まあ、その母ちゃんも頭の中「受験」でいっぱいだったしね。

「受験」と「評価」がリンクしていて「評価」と「授業」がリンクしているからね、なかなかややこしいわけさ。

 

 

学校と進学塾は異なる価値観でやってんだけどな。

難しいね。

大切にしていることって、それぞれ違うからさ。

 

 

僕はすげ〜おもしろいなぁと思っていた授業も、保護者によっちゃ「何この授業!先生は何もしないザマスね」なんて思ってんだろうね。

まあ、難しい世の中になりましたよ。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。