イライラしながら伝えると…

思春期 親子関係

叱ってる?怒ってる?

子どもたちは叱られたとき、「怒られた」と表現します。

僕は最初、子どもたちの語彙が不足していると感じました。

 

全然怒ってなんかいないのにな。

でも、子どもたちは「怒られた」と表現します。

 

それはなぜでしょうか。

 

 

ある日のこと、他の先生が廊下で生徒を呼んで叱っています。

いや、怒っています。

子どもはシュンとしています。

 

あとで、その先生に尋ねました。

「ねえねえ、何を怒ってたの?」

「いや、怒ってはいないんですけどね。注意してただけです。でも、なかなか理解しなくて。イライラしますよね」

 

その言葉を聞いて、合点がいきました。

大人は注意しているつもりでも、子どもには怒りだけが表現されてしまう。

言葉より先に届くものがあるのですね。

それは感情です。

 

「イライラ」という感情だけが届く。

だから、「怒られた」と子どもたちは表現します。

 

 

子どもの方が大人だぜ!

試しに、子どもに尋ねました。

「ねえねえ、何を叱られてたの?」

 

「えっ!よくわからないけど。先生、怒ってました」

 

全然、伝わってないじゃん!

 

相手が理解してくれないとイライラする。

そのイライラだけが届く。

なんか怒ってたな〜で終わってしまう。

 

思春期になるとね、「親に怒られた〜」って素直に話をしてくる子も多いんですよね。

「なんで、怒られた?」

「うーん…、最近仕事も忙しいし、イライラしてたんだと思う」

「そうか…。大変だな…」

 

思春期ともなると、子どもたちは敏感に感じ取ることができるんです。

感情は先に届いてしまうのです。

 

子どもたちの方がね、親の気持ちを先回りして、気を遣っている。

そんなことは、よくあるんですね。

思春期の子どもたちって、大人ですよ。

 

怒っている人の話を聞くのは苦痛です

そして、怒ってる人の話を聞くことほど苦痛なことはありません。

 

では、子どもたちはどのようにして防衛するか。

 

わかったフリをします。

反省した態度を見せます。

なぜって、早く終わってほしいんだもん。

 

嘘をつく子もいますね。

なぜ、嘘をつくのか。

だれが嘘をつかせているのか。

考えてみると、いいかもしれませんね。

 

すべては、怒っている人の話をさっさと終わらせる手段かもしれません。

 

だからね、子どもの言葉にちゃんと耳を傾けるんですね。

 

「先生、怒ってたよ」

「お母さん、怒ってたよ」

 

それはもうね、完全に怒りしか伝わってませんから。

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

どんな感情で子どもたちに声をかけますか?

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。