教育相談で大切にしたいこと

教育相談

『魔法の質問カード』を教室で生かす

 「魔法の質問カード」を使った教育相談。

フェイスブックで書いたら、思いのほか反響があってビックリ。

 

でもね、このカードがあれば子どもたちがどんどん話し出すかって言ったら、それは大嘘です。

このカード、あくまでもツールなわけで。

結局大切なのは、そのツールを扱う人間の在り方なんですね。

 

このツールがあれば、子どもたちとの教育相談がうまくぞ〜!なんて思っているうちは、きっとうまくなんていかないんです。

 あくまでもツールはツールだから。

 

これ、ICTを授業に活用するって話と似てるんです。

 

ICTと呼ばれるツール。

電子黒板だとかタブレット。

あれだって同じ。

 

「電子機器がないと、いい授業ができない」なんて言う先生がいる。

それは違う。

そんなものなくたって、子どもたちが輝く授業ができる。

それが大前提。

 

そのうえで、そういった機器が活用できると、さらに素敵な授業ができるのね。

 ツールがないとできないなんてのは、ツールに使われてるの。

 

ツールは使うものなの。

使われるものじゃないの。

 

 

で、「魔法の質問カード」というツール。

これ、とっても素晴らしいカードです。

でもね、このカードがないと教育相談ができないんだとしたら、大切な部分が欠けてしまいます。

 

そんなものなくたって、子どもたちの心に寄り添える先生になる。

まず、それが大前提。

そのうえで、「魔法の質問カード」が使えたら、とっても素敵な教育相談になるんです。

 

教育相談で大切にしたいこと

それは教師の意図を放たないということ。

 

「こんな話をしてほしい」

「このカードなら、こんな言葉を言ってほしい」

 

そんな利己的な思いが顔を出します。

抑えていても顔を出します。

 

すると、「しつもん」に意図を放ってしまうのです。

 

「しつもん」する側は、子どもたちを全面的に信頼すること。

これ、大事なの。

 

この子の内側にはちゃんと答えがあって、「魔法の質問カード」というツールを使って、この子自身が自分の答えにたどり着く。

そこに先生の意図は必要ないわけです。

 

子どもたちもまた、

「この先生はジャッジせず私の話を聞いてくれる。

 教えようとか、コントロールしようとかしない。

 すべてを受け止めてくれる存在だ」

そういう信頼感があるからこそ、言葉を紡いでくれるのです。

 

 

ある子が言いました。

 

「先生、あのカード、すごいですね。

  楽しかった。

  また、やりたいです。

  なんで、あんな言葉が出てきたんだろう?」

 

それを聞いて、僕は返します。

 

「あなたの中には、ちゃんとあなたらしい答えが眠っているのね。

 それを素直に受け取るだけでいい。

 ちゃんと答えをもっている。

 だから、自分らしい始めの一歩も見つかる。

 すごいのは、あなたの方だよ」

 

ニッコリ彼女は微笑みました。

 

アドバイスもジャッジもいらない。

ただ、目の前の子どもたちの存在を信じればいい。

「魔法の質問カード」は、ただのツール。

大切なのは、こちらの在り方。

 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。