シャンパンタワーの法則で子どもは輝く
僕は学級経営に「魔法の質問」を取り入れています。
毎朝、『しつもんカレンダー』(もんカレ)の「しつもん」に答えます。
生活ノートに「しつもん」の答えを書き、それを班で伝え合う。
そんな活動を毎朝しています。
先日の「しつもん」は
「今やっていることは、
だれのためですか?」
すると、ほぼ全員が「自分のため」と書いたのです。
もちろん受験生。
「今やっている勉強は、自分のためだ!」
予想通りといえば予想通りです。
ところがみんな、なんだか苦しそう。
ある子は言います。
「私はこの学校に
行かなきゃいけないんです」
ある子が言います。
「それが自分の
ためなんです」
それで、僕は尋ねます。
「本当に?」
マツダミヒロさんの「7つの法則」。
その一つが、『シャンパンタワーの法則』。
一番上に自分のシャンパングラスがあって。
その下には家族のグラスがあって。
さらに下には友達のグラスがあって。
一番下には、それを取り巻く人たちのグラスがあるの。
で、シャンパンタワーってのは、一番上のグラスにシャンパンを注がなきゃ、すべてのグラスにシャンパンは行き渡りません。
ところがどうして。
人間は自分のグラスよりも他人のグラスを満たすことに大忙しです。
「この学校に行かなきゃいけない」
そんな「恐れの選択」。
悲壮感を漂わせて勉強している。
苦しいよね。
苦しいのはね、自分のグラスに注いでいない証拠なんだ。
行かなきゃいけない?
いったいだれを満たしたいのだろう?
それで、別の日。
『もんカレ』はこんな「しつもん」を投げかける。
「見習いたい人はだれですか?」
そしたらね、数人の子が「見習いたい」って言う子がいたんです。
「どうして?」って尋ねたらね、「その子は勉強を楽しんでる」って。
そうやって「生き生きと勉強できるところ」を見習いたいんだって。
なるほどなぁ、と思いました。
自分がどう生きたいか。
自分がどうしたいのか。
それをハッキリと言葉にできる子なんですね。
つまりは内側に眠る答え、言葉とちゃんと向き合ってる子なんです。
自分はこうありたいという目標があって、そうなるために生き生きと学んでる。
「愛の選択」の結果が「勉強」。
だから、生き生きと学べる。
一方、「恐れの選択」で勉強している子どもは苦しそうな表情を見せる。
大切なことは自分のグラスにシャンパンを注いでいるかどうか。
それが「明るい受験生」へのスタートラインなの。
「なんのために?」が大事なの。
だからね、思う。
「自分のため」
そう口にしながら苦しそうな子はね、「自分はため、自分のため」と思いながら、いろんなものを背負いこんでると思うんだ。
だから、たくさんの「こうでなければならない」が顔を出すのね。
それが「恐れの選択」。
じゃあさ、子どもたちの「恐れの選択」を生み出しているのはだれだろう?
僕を含めた大人たちだと思うのね。
子どもを取り巻く社会をつくってるのは大人たちなんだからさ。
その子の声を聴いてみる。
心の奥の方にある声に耳を傾ける。
その声を応援してあげること。
ただ、それだけ。
すると、子どもたちは「自分のグラス」にシャンパンを注ぎ始める。
そしたらね、もう大人に出番はありません。
大人が在り方を変えるだけで、子どもたちは輝きます。
ちゃんと光を放つのです。
「しつもん」で子どもを輝かせるコツ
耳と目と心で聴けば、
子どもの内側に眠る声はきっと聞こえる。