受験生の親が知っておきたい、タイプ別の子どもとの関わり方


ウチの息子は「βタイプ」。

これは受験生だったときのお話です。

 

 

第1志望の学校に合格するため、

必死に勉強をしていました。

 

 

そして、成績を一気にジャンプアップさせました。

当初の成績であれば推薦入試を受けられるような成績ではありません。

でも、成績がアップしたことで、推薦入試を受けることができました。

 

 

そして、迎えた推薦入試の日。

面接だけ、とは言え本人なりに手応えがあったようです。

意気揚々と帰ってきました。

面接練習したことは、きちんと答えられたようです。

 

 

ところがです。

合格発表はオンラインでした。

ホームページには合格者の受験番号が。

しかし、残念ながら、彼の受験番号はありませんでした。

 

 

彼は肩を落としました。

それはそうでしょう。

 

 

人生を決める大きな分岐点に立つ15歳。

初めてもらった「不合格」の知らせ。

肩を落とさぬはずがありません。

 

 

僕はその姿を見て、彼の肩をポンポンと叩きました。

そして、

「ここからだぞ」

と声をかけました。

 

 

男と男の間には、

それ以上の言葉は必要ありません。

 

 

台所で「不合格」を知った「αタイプ」の妻が、

すかさず階段を駆け上がり、

彼に声をかけようとしました。

 

 

僕はそれを止めました。

 

 

彼は「βタイプ」。

下手な慰めは必要ないのです。 

 

 

「αタイプ」は、

慰められたい。

「大丈夫?」の一声が欲しい。

 

 

だから、声をかけてしまう。

自分がされてうれしいことは

他者もうれしいと考えるから。

 

 

でも、そうではありません。

「βタイプ」には、

時間が必要です。

 

 

自分で整理し、

自分で答えを出し、

自分で行動に移します。

 

 

ほっといて欲しいのです。

親のスタンスは

「困ったことがあれば手を貸すぞ」

でいいのです。

 

 

求められたものを求められた分だけ届ければいい。

余計な気遣いは鬱陶しいだけなのです。

 

 

そのあと、帰宅した中1の娘は「Ωタイプ」。

帰ってくるなり、娘を呼び止める僕。

 

 

その表情を見て察したのでしょう。

さすがΩタイプ。

察しがいい。

 

 

根掘り葉掘り聞いてくる「αタイプ」と違い、

「Ωタイプ」は1を知って10を知るタイプ。

余計な言葉はいりません。

 

 

娘「お兄ちゃん、ダメだったの?」

父「まあな。あんまり余計なこと言うなよ」

娘「わかってるって」

 

 

それで、この件は終わり。

いつも通りの我が家です。

 

 

そこからまた、彼の猛烈な努力が始まりました。

 

 

以前、長男から尋ねられたことがあります。

 

「父ちゃんは、

 妹はΩだからノリでやれ!

 って言うじゃん?

 

 俺たちβは、

 どうしたらいいの?」

 

 

それで僕はこう答えました。

 

「圧倒的な努力で、

 圧倒的な結果を出すんだよ」

 

 

その一言で、彼は変わりました。

圧倒的な努力で、

成績を一気にジャンプアップさせたのです。

 

 

3学期の終わりには、音楽を除いて(笑)

すべて「5」の通知表にしてきました。

 

 

大切なことは心のエンジンに火をつけること。

 

 

とりわけ「βタイプ」は「誰が言うか」が大事。

結果を出している人間が発破をかけるから効果があります。

 

 

力のない者が発破をかけると、

どうなるでしょうか? 

 

 

「えっ?どの口が言ってますの?(笑)」

となります。

 

 

母親の発破が「βタイプ」に効果をなさないのは、

そのためです。

 

 

ここは、

「尊敬する先輩」

「力のある塾の講師」

「立場のある先生」

の一声が効くわけです。

 

 

推薦入試で「不合格」だった長男ですが、

一般入試で見事「合格」を勝ち取りました。

 

 

子どものタイプを知っておくだけで、

関わり方はスムーズになります。

 

 

100人いたら100通りの子育てがあります。

100通りの関わり方があります。

 

 

そういう意味では、

親の役割は重要です。

 

 

大切なことは、

余計なことをしないこと

実はこちらの方が重要なのですね。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。