「育む」の語源がいい感じ♡
子どもの「子」という漢字。
この漢字は象形文字です。
「山」とか「川」とかと同じ。
物の形を描いた絵を崩していってできた文字なんですね。
では、問題です。
「子」という漢字は何才ぐらいの子どもの絵からできているでしょうか?
① 赤ちゃん
② 幼稚園児くらい
③ 小学生ぐらい
正解は…。
①の『赤ちゃん』です。
赤ちゃんって頭が大きいでしょう?
脳だけはほとんど完成した状態で生まれてくるらしいのです。
「子」という漢字も頭が大きいのは、そのためですね。
じゃあ、第2問。
「育児」の「育」には、「子」という漢字が隠れています。
どこに隠れていますか?
そうそう。
月の上の部分にひっくり返った「子」がいるの、わかるでしょうか?
じゃあじゃあ、3問目ね。
赤ちゃんが頭を下にしているのって、どんなとき?
そう!
これは赤ちゃんが生まれてくる様子なの。
で、下の「月」は「肉月(ニクヅキ)」と言って、もともと「肉」から生まれた形なんですね。
つまり、生まれた赤ちゃんに肉をつけていく。
これが「育」という漢字なの。
大人から授ける。
大人から教える。
そうやっていろんなものを与えていくこと。
子どもは何も持たずに生まれてきたから、どんどん与えてやる。
それが「育てる」ということ。
ところが、この「育」という漢字。
訓読みは「そだてる」なんだけど、日本にはもう一つ、素敵な訓読みがあるんだな。
それが「はぐくむ」。
「はぐくむ」って読みは、実は万葉集の時代まで遡るんです。
万葉集は現存する最古の歌集。
で、この歌集の中にこんな和歌があるのです。
旅人の
宿りせむ野に
霜降らば
吾が子羽ぐくめ
天の鶴群
奈良時代ですから遣唐使でしょうか。
「吾が子(我が子)」は異国の地へと旅立つ。
母は祈ります。
空を舞う鶴の群れに想いを託すのですね。
「あの子は異国の地で寂しい想いをしてはいないだろうか。
身体を壊してはいないだろうか。
私にはあの子を暖めてあげることはできないから。
鶴よ。
もしもあの子に会えたなら、抱きしめてあげてほしい」
そんな想いが込められているのですね。
「育む(はぐくむ)」は羽でくるむから生まれた言葉。
この言葉は日本の「子育て文化」を表した言葉だと思います。
子どもは生まれたときから、それぞれのギフトを持っている。
みんなちゃんと持って生まれてきているの。
でね、
そんなそれぞれのギフトをあたたかいまなざしで見つめ、慈しみ、大切に育んでいく。
そこに「日本の子育て」の美しさがあるように感じるのです。
「育てる」は大人主体。
「育む」は子ども主体。
「育てる」より「育む」が美しいなぁって思うのです。
子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉
「育む」を意識すると、穏やかに子どもと向きあえる。