3点なら3点の人生を楽しめるかどうかだ!

子どもが勉強しない

もしも子どもが3点を取ってきたら…

子どものテストが3点だった。

親としたら、ひどく落胆しますよね。

(ちゃんと勉強してるの?)

怒りが沸いてくるかもしれません。

 

それで

「勉強しなさい!勉強しなさい!」

と言ってみる。

でも、子どもは全然勉強しないからイライラする。

 

そりゃ、勉強しないよね。

3点ってことはさ、

「100分の3」しか理解していないってことじゃない?

勉強しても楽しくないよね。

しかも3点から10点取るってことは、3倍の点数を取るわけ。

すごく大変なんだよね。

 

じゃあ、何が大事かっていうとね、

3点の人生をどう楽しむかなんだよ。

 それがその子の初期設定じゃん?

その初期設定で始まったストーリーをどう楽しむか。

問われてるのは、ここなんだよ。

 

3点の初期設定で10点を目指すストーリーで良ければどうぞ。

でもね、僕なら別のストーリーを探したい。

この子が輝けるストーリーがあるはずなの。

 

 

どこが一番偏差値が高いですか?

 もうね、本当に底辺の学校しか行けない子がいます。

仕方がないです。

勉強が得意じゃないんですから。

 

それでね、「先生、どこか行ける学校ありますか?」なんて聞かれるわけです。

 

「まあ、今の成績だと、ここかここかな」

なんて教えてあげる。

 

「どちらがいい学校ですか?」なんて聞かれます。

そんなとき、ほとんどの先生は「面倒見のいい学校」をおススメしますよ。

 

お勉強が得意ではない子ですからね。

できれば手厚く面倒を見てくれる学校を勧めます。

 

ところがです。

 

「いや、そうじゃなくて…」

 

「はい。と言いますと?」

 

「どちらが偏差値が高い学校ですか?」

 

正直、そのあたりの成績の子どもが行く学校なんて偏差値を気にすることに意味なんてないんです。

でもね、気になるんでしょうね。

 

どこの学校に行ってるか。

どちらが有名か。

そういうことが大事なようで。

 

そういう見方で、子どもを眺めていく。

するとさ、より偏差値の高い学校に行った子の方が優れてみえるわけ。

 

でもさ、そんなもの本当は優劣なんてないのさ。

みんな、そろそろ気づいてるでしょ?

 

超高学歴レベル以外はさ、どこの学校を出たかなんて、もうどうでもいい時代じゃん?

そのことにみんな気づいてるの。

気づいてるけど、そこから逃れられない。

呪縛だよね、呪縛。

 

それ、感情に縛られてるんだよね。

人間って見栄を張りたい生き物だもん。

「ウチの子、◯◯高校に行ってんだ」って言いたいんだよね。

 

それってなぜだろう?

 

大人の自尊心のなさなのかな。

それを子どもで補おうとしてしまう。

子育てってさ評価基準のないものじゃない?

だから、子育てに自信をもてない人って多いんだ。

 

自分の子育てはこれでいいのだろうか。

自分の子育てで正解なのだろうか。

ってね。

 

いわゆる「いい高校」に行かせたら、子育てとして正解的な空気感ってある。

だから、「東大に行かせる子育て」みたいな本が売れるわけでしょ。

 

いや…、別に東大に行ったのは子どもの能力じゃん。

そいつのがんばりじゃん。

 子育ての良し悪しじゃないでしょ?

 

あのさ、高学歴な子を育てることが子育てとして正解だとしたらさ、いろんな障害をもって生まれてきた子とかはどうなるの。

その子はダメなの?

その子育てはダメなの?

 

勉強では芽が出ない子もいるよ。

いて、いいじゃん。

ダメなの?

 

ってことなのね。

 

うさぎとかめのお話

うさぎとかめの話、知ってますか?

 

うさぎとかめが徒競走をするのですね。

それで、うさぎが一気に走っていく。

余裕のうさぎさんは、ゴール前で居眠り。

眠っているうさぎの横を、亀は悠々ゴールするというお話です。

 

あの話はね、

「最後まで油断するな」とか「コツコツと努力することが大切」という教訓を伝えているわけね。

 

でもさ、思うの。

 

「亀さんよ!

 うさぎと徒競走しちゃダメだよ」って。

 

あんたの足の遅さは初期設定でしょ。

それ、勝てたのたまたまですからね。

 

そういうことじゃないの。

亀はね「泳ぎ」で勝負すべきだったんだよね。

 

うさぎは徒競走を提案し、亀は水泳を提案する。

互いに譲らず、それぞれの道でがんばろうと誓う。

初期設定が違うんだから、勝負にならないわけさ。

 

 

ストーリーは選べるの。

初期設定を受け入れて、その子が伸びたい方向に伸びていけばいい。

それで良いと思うんだよね。

 

比べる必要もないし、競う必要もないの。

これからはそういう時代です。

 

3点の子が、勉強で勝負しようと思うから苦しいんだよ。

あのさ…、勉強だけは努力したらできるようになると信じられているわけじゃない?

で、「勉強しなさい!勉強しなさい!」ってやっちゃう。

 

勉強が嫌いなんだよ。

嫌い!

好きなわけないじゃん。

 

わかんないんだもん。

不得意なんだもん。

好きなわけないでしょ?

 

で、それを無理やりやらせて身になる?

力がつく?

 

どう思う?

ねえねえ、どう思う?

 

「ビリギャル」とか「偏差値◯◯からの…」みたいなのを読んで、「ほら、やればできるじゃん!」みたいなノリが子供には一番キツい。

はっきり言っておくと、ああゆうのはレアパターンです。

 

多くの勉強に苦しんでる子は、ず〜っと苦しんでるんです。

 

それで僕らだって丁寧に丁寧に教えてあげるでしょ。

その単元はできるようになる。

その問いは解けるようになる。

 

「はい、じゃあ2番は?」

 

「う〜ん、わかりません」

 

そんな姿を見ると思うのね。

(あぁ…勉強苦手なんだなぁ…)ってね。

 

 

運動音痴の子がスポーツの世界で勝負しないでしょ。

音痴の子が歌の世界で勝負しないでしょ。

 

だから、思うの。

勉強苦手な子は、勉強の世界で勝負しない方がいいの。

「この子は勉強は苦手だけど、他に輝くことがあるんじゃないかな?」って見方がいいと思う。

それが子どもの味方になることだと思うよ。

 

これからは価値観多様化時代。

自分にとって価値のあることで生きていく時代なんだよ。

うさぎにはうさぎの人生を。

亀には亀の人生を。

楽しんだもん勝ちでしょ?

 

だから、比べる必要なんてないのだよ。

3点なら3点で、どうやって人生を楽しむか。

そっちを考えた方が心地いいの。

 

「勉強しなさい!勉強しなさい!」って学習塾にいれて3点を10点にするよりも心地いいと思わない?

 

ちなみに、少しでも偏差値の高い学校に行くことに価値があるという方からの反論は要りません。

 

子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉

どうして僕らは子どもに勉強させたいのだろう?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。