子どものありのままを受け入れる勇気
子どものありのままを受け入れることは怖いことなのかもしれません。
丁寧に丁寧に、子どもの生きづらさを説明します。
具体的な例をあげ、この子が今、どんなことに生きづらさを感じているのかを説明します。
すると、お母さんも家での様子などをお話してくださいます。
ただただ、耳を傾けるんですね。
やはり、家でもこの子の「こだわり」の強さや特徴的な行動が見られたりするわけです。
生まれたときから一緒にいて、子どものさまざまな姿を見ているわけです。
親としては感じるところもあるでしょう。
それでまあ、最終的に「一度、発達検査を受けてみませんか?」という話になる。
もちろん、そこでも丁寧に丁寧に説明するんですね。
人間には、だれだって多かれ少なかれ、凸凹した部分があります。
得意なこと、不得意なことがあります。
それで、この子の場合は情緒の部分だったり、人間関係の部分で、あまり得意じゃない部分があるわけです。
それで、専門家の見解を聞くことで、この子の生きづらさを救えるかもしれません。
適切な支援の方法を知るだけでも、大きな足がかりになります。
…と、こういう説明を丁寧にするわけです。
でも、まあ、ここからが難しくて。
やはり、心療内科や児童精神科のクリニックで…となると、そこに抵抗感を示す方も多くいます。
さまざまな支援センターなども候補に入れながら、お話をしていくわけですが。
ここから先に進むのは簡単ではありません。
中には、具体的な話になると突然、ガラリと変わってしまう親もいます。
「ウチの子は、そんな子じゃありません」
そうおっしゃって、怒りの感情を表す方もいます。
さっきまで、あんなに子育てに苦労していると言っていたのに。
家でも同じようなことがあって困っています、と言っていたのに。
ありのままを受け入れることは、怖いことなのかもしれません。
本来「そんな子じゃない!」と思うのであれば、堂々と検査を受けてそれを証明してみせればいいのですが。
この流れになると、これ以上話が進まなくなってしまいます。
これまで、ちゃんと検査を受けて、医師に診断されている子どもに何度も出会ってきました。
不思議なことに、親がその子のありのままを受け入れていると、あまり問題ではなくなってしまうのです。
一方で、子どもの抱えているものを受け入れることができていないと、いつまでも「生きづらさ」を引きずることになります。
受け入れると、子どもが変わるのですから、不思議です。
これはもう、不登校の問題でも同じなんです。
「学校に行かない選択」を認めてしまうのは怖いものです。
でもね、それを受け入れた親は、子どもとの関係がとても良好です。
つまりね、これは子どもが「問題」なのではないのです。
大人が、この子の「ありのまま」を受け入れられるかどうか。
そう。
その在り方が問われているのは大人の方だったりするのです。
子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉
勇気を出して、子どものありのままを受け入れてみる。