ドリームキラーになって子供に嫌われてみる?
親は子供の夢を応援するもの。
…と多くの人が信じている。
ところが、リアルな世界はそうでもない。
「あなたには無理よ」
「夢みたいな夢を見るんじゃない」
そんな親は案外多い。
そんなわけで、僕は子供たちの涙をたくさん見てきた。
親には親の思いがあり、子供には子供の思いがある。
ついつい先回りをしてしまう。
そんな気持ちもわからなくはないのだけれど。
小さいころはきっといい。
野球選手になりたい!
お姫様になりたい!
まあ、どんな夢だって応援できる。
でも、中学生になると、社会人への入り口がリアルに見えてくる。
すると、「夢を応援する」って、なかなか難しくなる。
3年間、球拾いだった息子が「野球選手になりたい」と言えば、「それは無理だ」と言いたくなる。
そんな親の気持ち、わからなくはない。
昔、卒業をまじかに控えた男の子に「仮面ライダーになりたい」と言う子がいた。
「いや…、あれドラマだし…」
僕もドリームキラーになってしまったことがある。
ドリームキラーは夢を壊す人だ。
だからね、そんな親の気持ち、わからなくもない。
でもね、って思うの。
「できる、できない」なんて、本当はどうだっていいんだよ。
人生は「やるか、やらないか」だから。
夢を描き、そこに向かって一歩一歩、進んでいくんだ。
ただそれだけのことなんです。
「この人生をやりきった」と言えるか。
大事なのはそこだと思うんですね。
リスクを負わないことがリスクになる時代だから。
子供たちにとって大切なのは、安全な道を示すことじゃないんです。
成績が優秀でどこの高校にでも行ける子がいた。
その子は動物園で働きたかった。
親はね、大学に行って、それから専門的な勉強をすればいいじゃないか、と言う。
まあ、多くの大人はそう言うはずだ。
でも、その子は畜産科に行きたかった。
それで親子はぶつかった。
「この人生はだれの人生ですか?」
僕が届けた「しつもん」はたった一つだった。
それで、ご両親は彼女の夢の応援者になってくださった。
思えば、素晴らしいご夫婦だった。
ある子は、卒業と同時に上京するという。
東京で女優になるのだと。
卒業式の日、お母さんがやってきてお礼を言うのだ。
「先生のおかげで娘が夢に向かって歩き出しました」と。
僕は面食らってしまった。
なぜなら、そのお母さん、さんざん娘さんへの指導法でクレームを言ってきたお母さんだったのだ。
そのお母さんもまた、娘の夢の応援者だった。
ちょっと、いやだいぶ嫌いだったけど、少しだけ好きになった、お母さんのこと。
一方で、子供たちのドリームキラーになる親はたくさんいる。
子供たちの夢を応援すると、「そんな夢を見させるな」とか「先生のせいで勉強が疎かになった」とか言われることもある。
そんな気持ち、わからなくもない。
「そんな叶いもしない夢を見させて無責任だ!」
はい、どうもありがと♪
でね、
国際線のキャビンアテンダントになりたいという子がいました。
そんな子は、毎年たくさんいます。
今も憧れの職業なんですね。
その子は一生懸命英語の勉強をしていました。
「将来は国際線のキャビンアテンダントになるの」
いいね。
いいじゃん!
なれ!なれ!
でも、親は言うわけです。
「そんな夢は叶うわけがない。
商業科に行って資格を取りなさい。
その方が就職に有利なんだから。
なんで親の言うことを聞かないの?」
叶うか叶わないか。
問題はそこじゃない。
挑むか挑まないか。
自分の人生をやり抜いたか。
大事なのはそこなのです。
何度でもやり直せる。
何度でも立ち上がれる。
そういう子は、失敗して立ち上がった経験のある子だけなんです。
失敗する権利は挑戦した者にしかありません。
リスクを負わないことがリスクである時代です。
「親が子供の時代」と「子供たちがこれから生きる時代」は別物。
安全は成長を止めます。
挑むから人生はおもしろいんじゃありませんか?
おもしろいものです。
夢を語ると「そんなの無理よ」と言う人が必ず現れます。
それが、親である場合は案外多いのです。
子供に嫌われたければドリームキラーになればいいのです。
さあ、伝えてあげてください。
「そんなの無理よ」
「夢みたいな夢を見るんじゃないよ」
それで、ちゃんと子供からは嫌われるはずです。
さあ、『嫌われる勇気』です。
口も聞きたくない親になってみてください。
子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉
子供の夢は「叶う叶わない」が問題ではないのです。