コメントに魂を込める
相手が求めている言葉を探す
子供たちが書いてくる生活日記。
僕はそこにコメントをするのが好きです。
自称「コメント職人」である僕は、すごい勢いで書いていきます。
昔ね、「死ね」「バカ」って毎日書いてくる子がいたんですね。
笑えるでしょ?
毎日ッス。
そんなとき、どんなお返事を書きますか?
「そんな言葉を使ってはいけません」
と書くのがセオリーなんだろうけど。
それって結局、「ちゃんと指導してますよ」という合図を出してるだけだと思うのね。
だってさ。
「そんな言葉を使ってはいけない」
そんなことはみんなわかってるわけじゃん?
でも、使いたいんだよね。
なんで使いたいんだろう?
そこに思いを向けるのが志事なんだよね。
注意するのが志事じゃないの。
最近、「万引きして困ります」という相談が立て続けに届いたのね。
で、「どうやって注意したらいいですか?」って質問されるの。
いやいやいやいや!
違うんだって。
「なんで万引きしたんだろう?」って考えてほしいのね。
子供は鏡なの。
ちゃんと映してくれてんだよね。
これはまた、今度書こう!
今日は「コメントのお話」でしたな。
脱線!脱線!
で、僕がしたことと言えば、イラストを描き続けただけ…。
毎日毎日イラストを描き続けたの。
おかげで、このブログに描かれてるイラストね、20秒くらいで描けるようになったんです。
その生徒には「ありがとう」って言いたいですね。
先生の伝えたいこと、大人の伝えたいこと。
それを一生懸命伝えようとするから伝わらないんだよね。
相手が何を求めてるかを感じ取るの。
それがアンテナ。
「死ね」「バカ」って書いてくる子はさ、注目されたいし、構ってもらいたいわけじゃない?
「愛」を求めてるわけです。
んじゃ、簡単じゃない?
「愛」を届けるだけ。
毎日イラストを描いてあげる。
それが僕の「愛」。
ちなみに、男子生徒ですけどね。
たとえば、「受験が不安です」なんて書いてくる子がいる。
そんな子には、どんな言葉を届ければいいだろう?
「大丈夫。
ここまで精一杯やってきたんだろ?
俺はそういうあなたのがんばり、すげえなって思うよ。
やるだけやったんだ。
不安になったって点数は上がらんよ。
大丈夫だから。
大丈夫だからね」
「不安」な子はさ、「安心」を求めてる。
じゃあ、「がんばり」を認めて、「大丈夫」って背中を教えてあげる。
ただ、それだけ。
「いいね〜」で始める♪
コメントするコツ。
最初の1行目はワンパターン。
「いいね〜」
「親とケンカしました」
「いいね〜」
「財布を忘れて大変でした」
「いいね〜」
子供たちの話を「いいね」で受け止める。
そしたら、その話を「いい」話に書き換えてみる。
思春期の子供たちって、物事をいろんな方向から眺めるのが苦手。
「親とケンカしました」
「いいね〜。
ケンカできる親がいるなんて幸せだな。
口も聞かない、顔も合わせないみたいな親子もいるもん。
そしたら、ケンカにもならないもんね」
「財布を忘れて大変でした」
「いいね〜。
財布を忘れても、なんとかなったってこと?
どうやって乗り切ったの?
すごいじゃん!」
子供が気づいていない視点で物事を捉えるだけでいいの。
背中を押してあげるだけでいいの。
受け止めてあげるだけでいいの。
本音で勝負する。
先生らしい言葉を書く気がない。
会話です、あれは。
いつだって本音で勝負する。
「そういうお前が好きだ!」
「そこ、僕は尊敬してるのね」
「これ、僕には真似できない。マジで◯◯さんのそこはすごいとこ(ろ)」
本音で書くって、とっても大事。
40人全員とお話をするのって、なかなか大変です。
でも、コメントだけなら毎日できるじゃない?
学級経営の核はコメントだと思っているぐらい。
ここで、子供の気持ちを知るでしょ。
それで、「大きな事件にならずに済んだ」なんてこと、何度もあるの。
だから、どんな日だって絶対書く。
行事だろうと出張だろうと、絶対に書く。
「今日は忙しかったから書けなかった」はありえない。
それ、僕の誠意ですから。
絶対書くの!
文化祭も、運動会も、あんな日もこんな日も、絶対書く!
できない理由はいらない
「くればやし先生みたいにできません」なんてコメントをもらう。
あのね、明日から急に同じようにできるわけなくない?
こんなことを16年、毎日やっている。
1年で200日。
生徒が40人。
16×200×40=128640
忘れてくる子もいるし、生徒数が少ない年もあるけど。
半分だとしても60000回だよ。
60000回も書いていれば、そりゃ「コメント職人」を自称しても許されるでしょ。
それだけ書いていれば、コメントがすぐ浮かんでくる。
そういうものだと思うのね。
結局、人生は「やるか、やらないか」
学級経営に苦しんでいる先生は、コメント職人を目指すといい。
ハッピーな先生になるためのステップ
必要としている言葉を届けるのがプロの志事