「学校なんていらない派」がウゼーなと思う理由

どんなワクワクを作りますか.

学校に批判的な記事なんて誰でも書ける

この時期になると、

急に学校が悪者になる。

批判的な記事がウケる。

 

 

そんなの、

だれでも書けるんだよね。

 

 

なんで書けるかというと、

何も知らないからさ。

 

 

内側に入って、

本当の実態を知らないから、

批判的なことを書ける。

 

 

そりゃ、一部の教員はアホだ。

世の中は「2:6:2の法則」があるからね。

2割ぐらいはアホかもしれない。

 

 

でも2割の教員は必死に考えているし、

その2割で学校を動かしていると言ってもいい。

 

 

そして、

6割の先生だって、

それぞれの能力で必死に仕事をしている。

 

 

この時期になると、

学校に批判的な記事が増える。

 

 

そういう記事が、

8割の「がんばってる先生」の心を折らないか、心配だ。

 

 

プロ教師のセンサー

「生徒指導」なんて言うと、服装だの髪型だの校則だの、って考えがちだ。

でも、実態は違う。

そんなのは、目に見えることだからクローズアップされやすいだけ。

 

 

生徒指導の多くは、ルールを守らせることではなく、児童生徒の生活を守ることにある。

だが、そういうことは表に出ない。

だから、何も知らない人たちは一方的に学校を攻撃する。

 

 

「学校なんてなくたっていい!」なんて暴論を見ると、

「おいおい。アンタ、どこまで社会の現実を知ってるの?」って思ってしまう。

 

 

いろんな家庭があるんだよ。

両親がいる家庭。

パパかママしかいない家庭。

 

 

それだけじゃない。

パパもママもいない家庭もある。

ホントに捨てられてて、保護することだってある。

 

 

言っとくけど、子どもの異変に最初に気がつくのは、学校の先生だ。

凄まじい感度のソナーを備えていて、子どもの異変に気づく。

 

 

表情なんてのは当たり前。

ちょっとした振る舞いなんてのは当たり前。

 

 

ノートの臭い、書く文字。

制服のシワ、ホコリ、臭い。

靴下の汚れ。

集金の遅れ。

弁当。

健康診断。

 

 

もう、ありとあらゆるものから情報を察知している。

学校がなければ、児童虐待に気がつくことなどできない。

 

 

犯罪だって、警察より先に気づく。

言っとくけど、プロを舐めてはいけない。

 

 

セーフティーネットとしての機能を考えた場合、

学校は最強のシステムだと思っている。

 

 

そもそも乳幼児健診にすら連れていかない親がいる。

学校の場合、休めば必ず電話がかかってくる。

わざわざ家庭訪問をする。

運動会では親と一緒に弁当を食べるのなんてのもその一つ。

 

 

実は子どもの家庭での様子をつかむポイントはたくさんあるのだ。

 

 

で、そういうポイントで見ると、「不登校」の子どもに「学校においで」と言いたくなる先生の気持ちもわからなくはない。

学校に来てほしいって思うのは、人間だから普通じゃね〜か?と思う。

 

 

ある不登校の子の話

ある子がね、学校に来れなかったの。

なんで来れなかったかって言うと、

「宿題が一つでもやれないと心が引っかかってしまうらしい」

それで、学校に行けなかったのね。

 

 

じゃあ、「学校に来なくていいよ」ってなるかって言うと、そうじゃないんだよね。

やっぱ学校には、来れるなら来てほしいじゃん。

 

 

僕がしたこと。

まず、各教科担任の先生に、宿題やらせないことにするから、配慮してくれ、と。

学級全体で宿題の指導をしないでくれ、と。

 

 

ちなみに、僕のクラスは「みんな違ってみんないい」だから、他人が宿題を出そうが出すまいが、「お前に関係なくね?」が浸透しているので、宿題を出さなくても、それを咎めるような生徒はいない。

 

 

んで、後はその子に「いいか、宿題を出すなよ!」と指導する。

まあ、この場合、普通の先生は宿題をどうやって出させるかを考えるよね。

 

 

僕は逆。

「宿題を出さなければならない」を手放す方法を考えたわけ。

で、その子は見事、ほとんど休まなくなった。

 

 

もちろん、僕だって学校に行きたい子は行けばいいし、行きたくない子は行かなければいいと思っている。

だが、行けるものなら行った方がいいとも思っている。

 

 

学校反対派ではない。

ただ、行きたい子は行けばいいし、行きたくない子は行かなければいいと思っている。

その子は「行きたい子」だったからね、支援をしたかったんだ。

 

 

 

学校は地獄なのか

学校の先生は、教室をハッピーにするのが仕事だ。

「学校が地獄」みたいな表現が、デカデカと書かれた新聞を見て、(なんだかなぁ)という気分になった。

 

 

「学校なんてなければいい」みたいな人を見ると、

「本気か?」と思ってしまう。

 

 

学校で食べる給食が唯一のまともな食事って子どももいるんだよ。

先生たちが必死に制服やらカバンやらを書き集めて、学校に通う子もいるんだよ。

駆けずり回って児童相談所につないだりしてさ。

「金八先生」の事件なんて、かなり甘口だよ。

リアルな世界はもっと辛口だよ、ホント。

 

 

なんか、「学校は地獄」的な報道を見るたびに心が痛む。

そこに喜んで行っている子どもだっているし、

必死に働いている先生だっているのだ。

 

 

何だかその一方的な情報発信が腹立たしくて仕方がないのだ。

 

 

必死になって学校を素敵な場所にしようとしている先生たちだっているのだ。

そういう先生たちの心を折ってしまうような批判的なことしか書けない人を見ると、「あ〜つまんねえヤツだな」と思えてしまう。

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

さあ、まもなく新学期。教室にどんなワクワクを作りますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。