学級経営は組織を管理することではなくマネージメントすることです。

学級経営

学級経営は組織をいかにして

マネージメントするかです。

 

 

1人の大人が受け持つ人数として

40人の子どもたちというのは、

決して適正な人数とは言えません。

 

 

いろいろな経営者さんにお話を伺いましたが、

組織(チーム)というのは、

1人の上司に5〜6人の部下を1チームなのだそう。

 

 

大人の世界ですら、

そのような人数でチームを作るわけです。

 

 

1人の先生が40人の子どもを率いるというのは、

ある意味、無理ゲーです。

 

 

 

ですから、

組織をいかにマネージメントするか、

が問われているのです。

 

 

学級担任の先生には、

経営者感覚が必要なのですね。

 

 

 

ただし、

コントロールすることと

マネージメントすることは違います。

 

 

学校の先生は、

子どもたちをコントロールしがちです。

 

 

子どもが自分の思い通りに動かないとイライラします。

大きな声を出して叱ります。

 

 

まあ、どちらが大人なのかわからない。

そんな幼い先生が多いこと、

残念に思います。

 

 

僕はあまり自分の教室に

エネルギーをかけられない先生でした。

 

 

校内で起こるあらゆる生徒指導上の問題に

関わってきました。

 

 

校内では常にどこかのクラスで

事件が起きています。

 

 

力のない先生、経験の乏しい先生もいますから、

支援が必要な場合も多くあります。

 

 

すると、

必然的に僕は自分の教室にいないことが

多くなりました。

 

 

だから、

いつも「先生がいなくても大丈夫なクラス」を

目指してきました。

 

 

子どもたちも僕の立場がわかっていましたから、

よくよく考えて動いてくれたと思います。

 

 

「手のかかる生徒」を受け持つことも多かったのだけれど、

あまり学級内では問題が起きませんでした。

 

 

それは、僕の生徒指導の手腕が

優れていたからではありません。

 

 

子どもたちが状況を理解し、

自ら考え動いた結果だと思います。

 

 

子どもたちというのは、

管理しようとすると、

枠から飛び出そうとします。

 

 

反抗期なんてものは、

大人が「反抗すべき存在」だから起こるのです。

 

 

簡単に言えば、

ウザい存在だから反抗する。

とてもシンプルな理由です。

 

 

 

信じて手放せば、

彼らはそれに応えてくれる。

これもまた道理です。

 

 

先生はすぐにコントロールしようとします。

自分の意のままに動くことを、

「指導力がある」と勘違いします。

 

 

 

大切なことはマネージメントです。

先生が不在でも組織が自走するように

マネージメントすることです。

 

 

「先生がいなくても平気です」

 

 

そう言ってくれるクラスが理想です。

僕が必要のない存在になった時点で、

進級させてあげてもいいくらいです。

 

 

さて、

教室をマネージメントするために、

生活班や委員会、係など小集団を組織します。

 

 

そこに学級員や班長といった

小集団のリーダーを選定するでしょう。

 

 

それはマネージメントをするうえで

必要なことだと思います。

 

 

ですが、

それは中間管理職のようなリトルティーチャーを

育てることではありません。

 

 

学級を先生のコントロール下に置くために

リトルティーチャーを育ててしまう先生も多いのですが。

 

 

 

それではどこまで行っても

先生主導の学級経営になります。

 

 

学校教育が優秀な従業員を育てる社会システムと捉えるならば、

リトルティーチャーを育てることも悪くないでしょう。

 

 

ですが、教室が個々の能力を伸ばす場だと考えるならば、

ぜひ組織をマネージメントしてほしいのです。

 

 

それぞれの個性が発揮され、

集団として自走するような仕組みを作ってほしいのです。

 

 

まず学級担任として

学級という組織が何を目指しているのか、

明確なヴィジョンを掲げます。

 

 

そして、

そのヴィジョンを具現化するために、

リーダーを決めていきます。

 

 

それは決して、

「先生の代わり」ではありません。

 

 

組織の能力が最大限に発揮されるためのリーダーです。

 

 

そして、そのリーダーたちを中心に学級を任せてみること。

そう、子どもたちの力を信じることです。

 

 

信じられていることほど、

重たいことはありません。 

 

 

コントロールとマネージメントの一番の違いは、

この「信じる」だと思うのです。

 

 

つまり、問われているのは

担任の先生の力量よりも在り方になるのです。

 

 

ハッピーな先生になるための魔法の質問

信じられるとどんな気持ちになりますか?

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。