10000時間の法則

授業がうまくいかない

『10000時間の法則』とは

マルコム・グラウェル氏が提唱した『10000時間の法則』

何かの分野で成功してきた人たちに共通しているのは、それに10000時間を費やしてきたということ。

 

年間約200日。

1日4時間、授業をしたとして年間800時間。

約13年で10000時間か。

「なるほどな」って思う。

 

13年目で、確かにようやく授業ってものの本質が見えてきた。

若いころは教材が大事、手法が大事って信じてたもん。

でも、突き詰めて突き詰めてやってきたら、問題はそこじゃなかったって気づいたんですよね。

 

最近、僕は教室の中でお地蔵さんみたいになっている。

やることがない。

そのかわり、子どもたちの脳は活性化している。

だから、先生はやることがないのだ。

 

僕が教えているわけではない。

子どもたちが学んでいるのだ。

 

そこにたどり着くためには、やはり10000時間必要だったな、と思う。

 

 

力量を伸ばすことが負担だという愚かさ

僕は校内研修を担当するのが嫌いだ。

 

決まって「負担だなんだ」と言われる。

 

自分の力を伸ばすのは子供たちへの誠意だと思っている。

毎年、当たり前のように研究論文を書いてきた。

研究論文を書くことが、力量向上だとは思わないけれど。

教えを請い、自ら学び、実践した。

 

若いころ、お世話になった校長先生に言われた。

「1年間、子供の前に立っていてA4裏表ぐらいまとめられないようなヤツは偽物だよ」

 

のんべえでだらしがなく見えるのに、いちいち的を射た話をする先生だった。

 

僕らの負担になるのは、何の役に立つんだかわからない書類やらアンケートの類いだ。

教育研究は直接子供たちに還元される。

こんなものが負担なはずがない。

 

 

野球選手が「春のキャンプが負担です」って言ってるようなもんだ。

 

 

「負担だ」とか「なんでこんなことやらないかんの」とか、耳にする。

力量を磨くのは子供たちへの誠意だ。

 

 

初任の6年間。

僕は授業が下手だった。

3流以下の人たちと比べたら抜群に上手かっただろうけど、今の自分から見たらホントに下手だった。

 

 

下手な自分の授業に付き合ってくれた子供たちには、感謝しかない。

授業をやらせてもらっているのだ。

 

 

今、自宅で講座を開く。

集客には苦労する。

人前で授業をするって簡単じゃない。

 

 

でも、学校ではちゃんと子供たちが集まってくれる。

集客しなくても集まってくれる。

 

2流のつまらない授業でも、毎日教室に来てくれる。

そこには感謝しかない。

 

先生がいるから学校なんじゃないよ。

子供たちがいるから学校なんだよ。

 

授業が上手くなるために必死なるってのはさ、誠意なんだよ。

研究授業が負担だなんて傲慢だよ。

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

力量向上とは、子供たちへの誠意

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。